プロ漫画家が話題の“お絵描きAI”を使うと? 元週刊少年誌連載作家が示した“違和感”と可能性

 元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏が自身のYouTubeチャンネルで「AIは人間に勝てるのか? 話題のnovelAIのやり方も解説」と題した動画を公開。簡単な言葉を入力するだけで、質の高い絵を自動的に生成すると話題の「novelAI」を自ら使い、

AIは人間に勝てるのか? 話題のnovelAIのやり方も解説

 まずはシンプルに「high school girl」と入力すると、アニメ風の女子学生が描画された。「おお! なかなか可愛いです。いい感じだね」と驚くハイド氏だったが、さすがはプロ漫画家、すぐに違和感を発見する。よく見ると服装がおかしく、セーラー服の胴部分は紺色で冬服のようだが、袖は半袖で夏服に見える。中にカッターシャツを着ているのも不思議だ。ただ、鼻の頭が明るく描かれていたり、髪の毛の奥が薄く彩色されていたり、「いまのトレンドを押さえている」という。

 続いて「high school girl」はバストアップだったが、同様に「high school boy」と入力すると、腰から上の立ち絵が描画される。こちらもぱっと見、よくできたイラストに見えるが、ハイド氏はおでこの白さやインナーの袖の長さ、ボタンの位置など、細部に違和感を発見。また自動生成される背景についても、教室のようには見えるが、窓枠が障子のようにも見え、シチュエーションが判然としないことも指摘した。ただ、「絵を描かない人にはわからないレベルだろうな」と、「novelAI」の精度に感心していた。

 そこから少し複雑に、「girl eating ice cream」(アイスクリームを食べている女の子)、「Lovers holding umbrellas in the rain」(雨の中、傘をさしている恋人同士)などの言葉を入力すると、“作画崩壊”が起きることを発見。逆に考えれば、「novelAI」が「入力された言葉に対応する絵を探してきている」のではなく、「描画しようとしている」ことがよくわかる。ハイド氏も、「完璧ではないところが、人間らしくて逆に好感が持てる」と語った。

 ちなみに「novelAI」はまだ日本語には対応しておらず、試してみたいが操作がわからない、という人も少なくない。ハイド氏は動画の後半で、使い方をわかりやすく解説。AIに「描かせた」絵がその人の「作品」になるかは議論されるところだが、ハイド氏は漫画やイラストを制作する楽しさを伝えるクリエイターであり、新しい技術を魅力的に紹介していた。気になる人はぜひ、動画をチェックしてみよう。

■参考動画 https://www.youtube.com/watch?v=-m0vSm-QGQA

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