話題の青春ホラー漫画『光が死んだ夏』作者が明かす、“恐怖”を表現するためのこだわり 「記号ではなく、行動で感情を描く」

『光が死んだ夏』作者インタビュー

ホラーとブロマンスは親和性が高い

ーーホラー表現について詳しくお伺いしてきましたが、よしきと光の間にある友情、愛といったブロマンス要素とのバランスはどのように取られているのでしょうか。

モクモクれん:実は、ホラーを控えめにしているんです。本当はもっと怖いの描きたいなって思う時もありますが、ひたすら怖くするよりも「くるぞくるぞくるぞ......」みたいに感情に訴えかけるものを描きたいと思っていて。あと、その感情に訴えかける点では、ホラーとブロマンスってちょっと似ているんじゃないのかなと。

『光が死んだ夏』1巻より
『光が死んだ夏』1巻より

ーーホラーとブロマンスは似ている......。

モクモクれん:似ているという感覚は、「吊り橋効果」と近いのかもしれません。心理学で、吊り橋の上みたいに不安や恐怖を強く感じる場所で出会った人に、恋愛感情を抱きやすくなるみたいな。ホラーなら、次にどんな恐怖が起きるのかわからないドキドキ感で、ブロマンスだったら、例えば友達と喧嘩して険悪な雰囲気になった時の「どうしよう……」みたいなドキドキ感。ドキドキという生理的覚醒が同じだから、原因を取り違えてしまうみたいな。実際に描いてみても、ホラーとブロマンスはやっぱり親和性が高いなって思います。

「絶対良い絵が出てくると思っていた」担当編集も推す11話

ーーお気に入りのシーンや苦労したシーンを教えてください。

モクモクれん:1巻のラストシーンですね。やっぱり1巻の締めくくりなので、テンポやリズム感にこだわりました。苦労でいうと、物語の構成を考えるのにいつも苦労しています。描きたいことや、ネタはたくさん思いつくのですが、その一つ一つを繋げていくというか「どの話を先にやろうかな?」と、組み立てていくのに悩んでしまうので、担当編集さんと相談しながらやっています。

ーー今後の見どころを教えてください。

モクモクれん:7月26日に配信される11話ですね。めちゃくちゃ気合入れて描きました。

担当編集:11話は、ネーム打ち合わせの段階から「絶対良い絵がくるだろうな」と思っていたのですが、本当にすごい絵がきたので(笑)みなさん、楽しみにしていて欲しいです。

ーー最後に読者へメッセージをお願いいたします。

モクモクれん:まだ1巻しか発売されていないし、物語も本当に序盤の序盤なので......。そんな状態で、「次にくる漫画大賞2022」Webマンガ部門にノミネートされて恐縮ですが、とてもありがたいです。これから先は、新しいキャラクターも登場予定で、すごく良いキャラになりそうだなと思っています(笑)。なので、これからも温かく見守っていただけたら嬉しいです。

「次にくる漫画大賞2022」Webマンガ部門 ノミネート中(投票は7/11まで)

『光が死んだ夏』は「次にくる漫画大賞2022」Webマンガ部門にノミネート中。6月24日(金)〜7月11日(月)まで、大賞作品を決定するユーザー投票を受付けている。ぜひ“次にくる”マンガに『光が死んだ夏』を投票してみてはいかがだろうか。

■ 次にくる漫画大賞2022  https://tsugimanga.jp/nominate2022-web/
■ 投票期間 2022年6月24日(金)〜2022年7月11日(月)

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