【漫画】あなたは謎の生物をペットにできる? 『三つ首の巨大猫を飼う話』が愛おしくて笑える

怖くならないように作画を工夫

――「三つ首の巨大猫を飼う話」制作のキッカケをお聞かせください。

野愛におしさん(以下、野愛):「他にない猫漫画を描こう」と思ったのがキッカケです。とにかくビジュアルでインパクトがあるものにしたかったので、思い切って“顔は3つ”というところまではすぐ決まりました。ただ、「モチーフを“阿修羅”に寄せるか?“ケルベロス”に寄せるか?」については長く悩みました。熟考の結果、「首と首に距離がないと色々なシーンで絵面が詰まって見える」という理由からケルベロスにしました。

――なるほど、だからひとつの首に3つの顔(阿修羅)ではなく、三つ首になったんですね。

野愛:ビジュアルは猫らしさが出るよう意識して描いており、「顔ごとに性格が違う」ということが伝わるよう、猫の種類、それも見た目に差が出るように変えました。また、ハチワレについて調べているうちに、「ハチワレは白部分の量で性格が違う」といったような記事を見かけ、少し白の部分の量を調整しています。

――“顔が三つある猫”という現実世界ではあり得ない存在ですので、猫らしい可愛さを出すのは難しかったのではないでしょうか?

野愛:これは一番意識しました。世間的には「ケルベロス=怖い」というイメージが強いため、「読みたくなくなるほど怖い」と思われないように慎重にビジュアルを作成しました。それでも他にない作品にしたかったので、顔三つは外せずに「絵柄をややコミカルにしよう」という判断になりました。首の付け根部分が見えると少々気味悪い感じになるため、モフモフで隠しています。

ギャグはストーリーありき

――ビジュアルのインパクトが強い作品でしたが、ストーリーはとても親しみやすく、気持ちよく読むことができました。

野愛:キャラのインパクトがやや強いため、「異質なキャラクターが主人公と仲良くなる話」というやや王道な展開を軸にまとめています。そのため、主人公はやや素直な性格にして、「読者と思考が重なるように」と見たまんまの感想を口にするように意識しました。

――テンポのよさを出すために工夫したことはありますか?

野愛:長らくギャグマンガを描いていますが、某出版社様から「ギャグ漫画であると同時に、ストーリーをしっかり持たせた方が良い」とアドバイスされたことがあり、今作はそれを強く意識して描いておりました。ギャグのない部分はキャラクターの魅力が伝わるような展開にして、読み手に“キャラを好きになってもらいつつもギャグを挟む”といったバランスになるよう意識しました。

――最後に今後の展望について教えてください。

野愛:次回の連載に向けて画力アップとストーリー力を鍛えております。次回作は今まで以上に読んだ方に楽しい気持ちになってもらい、日常と切り話した時間を作れるよう、日々精進し、より良い作品を描けるよう努力したいです!

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