櫻坂46・渡邉理佐が語る、“理想通り”のメモリアルブック「これを抱きしめて卒業コンサートに来ていただけたら」

櫻坂46・渡邉理佐、卒業インタビュー

 櫻坂46・渡邉理佐の卒業メモリアルブック『抱きしめたくなる瞬間』(集英社)が5月17日に発売された。発売中の4thシングル『五月雨よ』の活動期間を経て、約7年間のアイドル人生に幕を下ろす彼女(卒業コンサートは5月21日&22日に開催)。本作は、“櫻坂46の渡邉理佐”としてリリースする最後の作品となる。

 北海道と沖縄で撮り下ろされたボリューム満点の写真パートや、欅坂46時代から苦楽をともにしてきた尾関梨香、菅井友香、原田葵らゲストを迎えた読み応えのある対談パートなど、約7年間のアイドル活動の遍歴と、卒業間際の渡邉理佐の全てが感じられる至極の構成。アイドルとして、ファッションモデルとして、ひとりの女性として。飾らない彼女の多面性に、さらに“好き”が溢れる。

 ファンへの思い、そして櫻坂46への思いが伝わる本作に、渡邉理佐自身はどのようなこだわりを込めたのだろうか。本作が完成した今、彼女の心境を聞いた。(とり)

【インタビューの最後に、渡邉理佐さんのサイン入りチェキプレゼント】

いまの繋がりと関係性

――まずはじめに、本作を制作することになった経緯を教えてください。

渡邉:卒業が決まったタイミングで、卒業する前に、何か櫻坂46の渡邉理佐として記念に残る作品が作れないかなぁと思ったんです。それでスタッフさんに相談したら「いいね。やろう!」とすぐに話が決まって。

――渡邉さんの希望があって制作が進んだと。

渡邉:そうですね。内容についても、私の方から案を出させていただいて、ありがたいことに、本作でやりたいと思っていたことを全て叶えてもらいました。私自身、胸を張って大満足だと言える一冊になりましたね。

――本作にはさまざまな企画が収録されていますが、そのなかで特に渡邉さんがやりたかったこととは?

渡邉:メンバーのおぜちゃん(尾関梨香)とのドライブです。二人とも運転免許を持っていたので「いつか一緒にドライブしたいね」なんて話を、ずっとしていたんです。でも、なかなか実現できずにいて。今回、おぜちゃんとの対談ページを作っていただけると聞いて、真っ先に「一緒にドライブしている様子を撮影してもらいたい!」と頭に浮かびました。かわいい車を用意していただいて、助手席におぜちゃんを乗せて、私が運転をして。メンバーを車に乗せるなんて、初めての経験でかなり緊張しましたが、またとない機会ですし、実現してうれしかったです。

――ドライブを楽しむお二人の姿は新鮮でした。実際は、尾関さんの方が運転に慣れていらっしゃるんですよね?

渡邉:おぜちゃんの方が何年も前に免許を取得していたので、私より全然上手なはずです。撮影では、公道じゃなくて私道をお借りして運転させてもらったんですけど、「もっと大きくハンドルを切りなよ!」と、助手席のおぜちゃんにもだいぶ手を貸してもらいましたから(笑)。「今度はプライベートで本格的なドライブをしようね」って約束もしました。本当に楽しかったなぁ。


――微笑ましいお話ですね(笑)。その対談パートには、尾関さんあわせて計8名のゲストがご登場されていますが、みなさん、渡邉さんからのオファーで?

渡邉:はい。まず櫻坂46からは、キャプテンの菅井友香と、「おぜりさ」として好きでいてくれているファンの方もいらっしゃるということで、ずーっと仲が良いおぜちゃん、そして、同期でありながらまるで妹のような原田葵に来てもらいました。後輩の2期生からは、藤吉夏鈴と山﨑天に。私と二人の関係性が気になっているファンの方もいるのかなぁと思って、出てもらいました。

 日向坂46でキャプテンを務めている佐々木久美とは、欅坂46時代に一緒に活動したことがあるんです(当時、佐々木久美は日向坂46に前身グループである“けやき坂46”に在籍していた)。同じステージに立ったこともあったし、改めて、何かお話できることがあるんじゃないかなって。それから、欅坂46時代に同じグループのメンバーとして活動した同い年の長濱ねるとは、むしろ一緒に活動していたときよりも、今の方が定期的にプライベートで会うようになったんですね。お互いに、表立ってそういった話はしてこなかったから、グループにいるときとはまた違った関係性をみなさんにお届けできるんじゃないかなぁと。

 そして、最後の新木優子さんは、私が専属モデルを務めさせていただいているファッション誌『non-no』の先輩です。憧れであり、大好きな存在なので、出演をお願いさせてもらいました。

――みなさん、渡邉さんと深い繋がりのある方たちばかりですよね。そんな対談パートでは、あらゆる関係性から渡邉さんのいろんな一面が見られたのも印象的でした。

渡邉:どの対談も、卒業のタイミングだからこそのお話ができた気がしています。対談とは別に、櫻坂46のメンバーから私に向けてのメッセージや、逆に、私からメンバーへのメッセージなんかも掲載していただいたので、櫻坂46を応援してくださっているファンの方には是非、私とみんなとの関係性に注目して、本作を読んでもらいたいです。

スカートが凍った北海道、「うめふぁー」に出会った沖縄

――北海道と沖縄での撮影についても聞かせてください。そもそも、なぜ日本の両極端の地で撮影を?

渡邉:雪景色が広がる北海道と、緑や海がたくさんある沖縄。全く違う景色のなかで撮影をすることで、異なる私の一面をお見せできるんじゃないかなぁと思ったんです。どちらも、お仕事で一度訪れたきり行けていなかった場所だったので、ゆっくり楽しめて良かったです。って、今回も撮影なのでお仕事ではあるんですけどね(笑)。

――特に北海道では、自然体な笑顔が多く見られた印象です。

渡邉:北海道では、動物園に行ったり、スノボをしたり、本当に遊びの延長のような気持ちで撮影していただきました。積もりたてのふわふわの雪の上を、足跡をつけながら歩くのも楽しかったですし、この目で雪の結晶まで見られて……。東京では見られない景色でしたよ。ひと足早い卒業旅行って感じでした。

――とはいえ、結構寒かったんじゃないですか?スノボのシーンとか、頬がかなり真っ赤になっています。

渡邉:もちろん寒かったです。でも、自分が想像していた北海道よりは寒くなかったというか。楽しい気持ちの方が大きかったので、全然平気でした。寒さで真っ赤になった顔やスノボウェアを着ている姿を、みなさんにお見せするのも初めてのことですし、北海道に行けて良かったです。さすがに、衣装のスカートが凍ったときは驚きましたけど。

――え、スカートが凍る!?

渡邉:はい。パリパリに(笑)。ビックリですよね?「こんなことも起こるんだなぁ」なんて思っていたら、あっという間に時間が過ぎていきました。それくらい楽しい撮影だったんです。


――沖縄ではどうでした?

渡邉:北海道とは正反対のあたたかい気候に、自然とテンションがあがりましたね。いちばん印象的だったのは、黒いドレスを着ているシーン。夕陽に照らされた海がとてもきれいで、とても感動しました。

――確かに、卒業旅行気分で楽しまれた北海道とは対照的に、沖縄では感情的に見える表情が多い気がします。

渡邉:撮影もラストに迫ってきていましたし、「あぁ、もう終わってしまうんだなぁ」と、寂しさを感じる場面は沖縄の方が多くありました。卒業の実感も、さらに膨らみました。ただ、終わりに近づくにつれて、すてきな写真をたくさん撮っていただけたよろこびから、本作の完成がますます楽しみにもなりました。

――今回、カメラマンを担当された柴田フミコさんは、『non-no』の撮影で何度もご一緒されていた方なんですよね。やはり、相当な信頼が?

渡邉:そうですね。『non-no』では、表紙も中の企画ページも、柴田さんに撮っていただくことがほとんどでしたから。私としても、安心して自分を委ねられるカメラマンさんだったので、つぎに写真集を出させていただくときは是非、柴田さんに撮っていただきたいと密かに思っていたんです。

 柴田さんって、どんなお洋服でも、どんなメイクでも、必ず素敵に撮ってくださるんです。そんな信頼があったからこそ、本作では、飾らない表情を存分にお見せできたんだと思います。どのカットも全部お気に入りです。いい写真がありすぎて、できるだけ多くのカットを載せていただくために、当初予定していたページ数を増やしたほどなので。

 それでも、まだまだお見せしたい写真は山ほどあります。順次、SNSでアザーカットとして公開していく予定なので、楽しみに待っていてください!

――おぉ、それは楽しみです。撮影前は、柴田さんと「どんな写真を撮ろうか」といったお話はされていたんですか?

渡邉:いえ、そういう話は何も。柴田さんからは「理佐ちゃんはただ楽しんでくれていたらいいからね」とだけ、言っていただきました。そうそう。柴田さん、北海道や沖縄のお店にスゴく詳しいんですよ。だから撮影中も、撮影に関する話というよりは、他愛のない会話が多かったですね。

――そうだったんですね。ちなみに、その北海道と沖縄のロケ中に食べたものでいちばん美味しかったグルメは何ですか?

渡邉:グルメですか?うーん、なんだろう……。あっ、うめふぁー(梅花)ですね(笑)!沖縄のスーパーに売っていた100円のお菓子で、最初は、編集の方に「これ美味しいんですよ」と勧められても「大体どんな味か想像つくしなぁ」と全く気に留めていなかったんですよ。それなのに、いざ食べてみると本当に美味しくて。ギャップにやられました。

――え、ギャップって?

渡邉:その、何て言うんですかね? ロケ中、北海道ではカウンターのお寿司も食べましたし、沖縄名物のソーキそばもスゴく美味しかったのに、まさかスーパーで買える100円菓子がいちばん衝撃だったなんて、自分でも意外だったんですよ(笑)。一度食べ出したら手が止まらない。ほんのり酸っぱくて、サクサクとした軽い食感……。きっとこれから、うめふぁーを見るたびに撮影を思い出すんだろうなぁ。

――思い出の一品になったと(笑)。噂によると、SHOWROOM配信で渡邉さんが「うめふぁー」の話をされたためか、全国から注文が殺到し、工場での製造を急遽増やす事態になったみたいですね。

渡邉:うふふ。SHOWROOMでうめふぁーの話をしてから、この作品とは関係のないほかの現場でもうめふぁーの差し入れをいただいたり、ファンの方からも「うめふぁー買ったよ!美味しいね」とコメントをいただいたり、じわじわとうめふぁーが広がっています。みなさんと美味しいものを共有できてうれしいです。

――しばらくは、うめふぁーに困らなさそうですね(笑)。

渡邉:はい。でもやっぱり、願わくば沖縄のスーパーに行って、また自分でうめふぁーを手に取りたいです(笑)。

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