一見上手なバトル漫画がプロの添削で大迫力に! 元漫画誌連載作家が伝える“緩急”の重要性
バトル漫画をカッコ良く描く秘訣は「正と動をはっきり作ること」。そう伝える動画がYouTubeにアップされた。戦闘シーンを描くような漫画家を志す人には必見の内容と言えるだろう。
動画を公開したのは、元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏だ。ハイド氏は視聴者から寄せられた一見上手な漫画やイラストを、プロの目線で細かく添削している。解説のわかりやすさとともに、あくまで本人の長所を生かすアドバイスが心地よく、自分では絵を描かない人も楽しく視聴できる。チャンネル登録者数は15万人を超える。
4月17日に公開された「【漫画添削49】バトル漫画をカッコ良く描く秘訣 ~プロ絵師·週刊連載漫画家がその理由を教えます~」と題した動画では、イラストレーターを目指しているというジャン・ヴァルにゃんさんのバトル漫画を添削することに。「迫力がなくてわかりにくい……」と悩んでいるそうだが、冒頭、ハイド氏は「アクションを伝えるのが上手いです。一コマ一コマで理解しようとしなくてもわかります。イラストレーター志望とのことだけど、もったいないと思っちゃいますね」と高く評価している。
その上でハイド氏が送ったアドバイスは「静と動をはっきり作るとよりアクション漫画は格好よくなる」ということだった。この作品では圧倒的な強さを誇る主人公(ナシュカというキャラクター)が銃を向ける敵を翻弄する様子が描かれているが、そうなった時「静=敵」「動=主人公」とすれば、より主人公が俊敏に感じるような描き方になるというのだ。
そのため、ハイド氏は添削したイラストで、敵の表情を同じ角度で描き、“動きのなさ”を表現した。さらに一コマ“集中線”を引き算したことによって、時間が止まっているかのような演出をプラスした。確かにこれにより、より緩急がはっきりしたように感じる。
一方でハイド氏が元の作品を評価していることがわかるのは、絵柄自体はほとんど変わっていないという点だろう。その上で角度や効果線の微妙な使い方の差異で、読み手に与える印象がこんなにも変わるということを説明している。