一見上手な“セーラー服少女”のイラストが漫画家の添削で激変 面倒でも手を抜かない、プロの姿勢がスゴかった

 「神は細部に宿る」という言葉があるが、あらためて漫画やイラストを描く上で、疎かにしてはいけない基本的なことを教えてくれる動画がYouTubeで公開された。

 動画を公開したのは元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏だ。ハイド氏は視聴者から寄せられた一見上手な漫画やイラストを、プロの目線で細かく添削している。解説のわかりやすさとともに、あくまで本人の長所を生かすアドバイスが心地よく、自分では絵を描かない人も楽しく視聴できる。チャンネル登録者数は15万人を超える。

 4月2日に公開された「【イラスト添削79】セーラー服少女を1つ1つ正しく描きましょう ~一見上手なイラストもプロ絵師が見れば?」と題した動画では、漫画家を目指しているというタイガさんのイラストを添削することに。女子高生のイラストが描かれているが「左右の腕が何度描き直してもおかしい気がします」ということで、ハイド氏にアドバイスを求めてきた。

【イラスト添削79】セーラー服少女を1つ1つ正しく描きましょう 〜一見上手なイラストもプロ絵師が見れば?

 ハイド氏はイラストを受け「かわいいですよね」と褒めつつ、「正直、体とか服がいい加減ではありますね(笑)。絵を描かない人が見れば“上手いね”と言ってもらえる雰囲気はあると思うけど」「プロの漫画家を目指しているならそれでは認めてもらえないと思います」と正直に語った。普段の動画を考えるとかなり厳しい評価だが、それは添削希望者が趣味ではなく、漫画を仕事にしたいと考えているからこその愛の鞭だ。

 その上で始めた添削。まずは下書きを整えることに。始めに“左右の腕のアンバランスさ”を修正するために、ハイド氏は洋服のラインを消して、体から描き始めた。「服を着せた状態で体を正しく描くのは難しいと思った方が良いです。面倒くさいと思うかもしれないけど、体から描いた方が絶対に正しく描けるので」と語った。

 それから指摘したのは作者が細部を意識していない点だ。セーラー服を着ているのに、セーターのような筋が入っている点や、不自然にお腹が見えている点、袖も右腕には縫い目があるがそれに対し左腕には縫い目がないところなど、すべてにおいて雑な作業となってしまっているという。「今の時代は“セーラー服”とネットで検索すれば出てくるから、ぜひ画像を見ながら描いて欲しい」と伝えた。そんなハイド氏も今作を添削する上でパソコンに「セーラー服」と打ち込み、予め勉強したそうだ。

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