【ONE PIECE考察】ルフィたちにとってCP0はどれほど脅威なのか? ワンピース研究家が考える、最終決戦への布石
※本記事は「週刊少年ジャンプ」連載中の『ONE PIECE』についてのネタバレを含みます。
「サイファーポール」と聞いた『ONE PIECE』ファンの脳裏には、エニエス・ロビーで激闘を演じた「CP9」の姿が真っ先に浮かぶだろう。しかし2022年3月現在進行中のワノ国編にて、サイファーポール機関のトップ「サイファーポール“イージス”ゼロ(通称CP0)」がその存在感を強めている。
天竜人の最高位である五老星からの勅命を受ける存在で、中には懐かしい顔もみえる彼ら。原作ではルフィの抹殺指令を受けており、今後立ちはだかる壁となるのは間違いないだろう。
世界政府との大きな戦いを控える現状、重要なのはCP0の立ち位置や強さだ。そこで今回は、ワンピース研究家である神木健児氏に話を聞いた。
「私は率直にCP9が最強だと思っていたので、CP0の登場には驚きましたね。彼らの初登場は、ドレスローザ編です。CP0について現時点で分かっていることは、あまり多くありません。世界政府の裏の顔であることや世界最強の諜報機関であること、天竜人直下の組織であることくらいで、メンバーの半数の顔もいまだ描かれていませんでした。ときには五老星やさらに上の人物からの指令を遂行するため、海軍を軽視した行動もおこなう彼ら。その点から海軍元帥のサカズキは、『天竜人の傀儡』と揶揄しています。しかしワノ国編で五老星からルフィの抹殺指令を受けた際、明らかに戸惑いをみせていました。世界政府がルフィを消したがっている理由にピンときていなかった所を見ても、世界の真相をすべて知る組織ではないのでしょう。内部の組織ではなく、あくまで実行部隊なのかなという印象です」
ワノ国編でのCP0の印象的なシーンと言えば、1人の海賊とのあるやりとりだろう。
「ワノ国編でのCP0と元白ひげ海賊団であるイゾウのやりとりが、ファンの間で大きな話題となりました。イゾウと偶然鉢合わせたCP0は、『歴史的な大罪を犯した白ひげの残党を放ってはおけない』と前置きしたうえで、任務遂行のため戦わずに去ろうとします。しかしイゾウはわざわざ呼び止め、CP0との戦闘に入ったのです。シンプルに考えれば“白ひげが犯した歴史的な大罪”は、マリンフォード頂上戦争でのおこないでしょう。そしてイゾウはルフィに期待しており、助けるために彼らを足止めした。そう考えるのが自然です。しかし私はCP0が口にした、“歴史的な”に違和感を感じました。たしかに白ひげが『ワンピースは実在する』と宣言したものの、戦争自体も含め“歴史的な”大罪ではない気がするんです。また上記したCP0のセリフは、切る場所によっては白ひげの残党が大罪を犯したとも取れます。黒ひげとの落とし前戦争終結後の彼らの動向は描かれておらず、『VIVRECARD(ビブルカード)』ではモビーディック号は保管中であると明記されました。そのため今後の大きな戦いで、歴史的な大罪を犯し何かを成し遂げた白ひげ海賊団の残党が、復活し再登場する可能性もあるでしょう」
CP0は麦わらの一味にとって、敵となる存在だ。気になるのは、やはりその実力だろう。