家での食事から考える、心豊かな人生を送るヒント 土井善晴『一汁一菜でよいという提案』評

『一汁一菜でよいという提案』評

愛しい日々の読書

 「基準を持つこと」のページでは、

もの喜びするとは、感動できること、幸せになることです。
人の愛情や親切に気づくことができるのです。

 これは食に限らず、人付き合いや物の考え方にも必要なこと。五感を澄まして、ありがたみのわかる人間でありたいなと思います。

 私自身が子供頃の夕方の風景は、子供たちが近所で遊び、お豆腐屋さんがラッパをふいて売りにきて、薪でお風呂を焚くお宅もありました。どこからともなく晩御飯の良い香りがして、「○○ちゃんちはカレーだね」なんて当てっこしていました。その時代は今でいう生活習慣病はそんなになく、贅沢はせずに慎ましく暮らし、旬のものをほどよく楽しんでいただく心豊かな食卓を皆していました。接種過剰栄養過多な今の時代、当時を思い起こし、改めて暮らしを見直すきっかけになりそうな1冊です。

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