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【今月の1作】オススメの恋愛&ラブコメ漫画特集 連載中の注目5作品を紹介
『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』空えぐみ (新潮社)
生まれ育った環境に起因する、どうしようもないコミュニケーションの齟齬やすれ違い。ウェブマンガサイト「くらげバンチ」で連載中の人気ラブコメ漫画『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』は、それを素敵なものだと感じさせてくれる。
東京から沖縄の高校にへ転校した中村照秋(てーるー)は喜屋武飛夏(喜屋武さん)に惚れている。勇気を出して声をかけるも、沖縄特有の方言がまったく理解できず、恋心とは関係なくうまく話すことができないのだ。
「きっとうがんぶすくさーねー」
登校時に喜屋武さんから話しかけられるが、さっぱり意味がわからず困惑しているてーるーに「『さっきのゲリラ豪雨大変だったよー』って言ってるさー」と教えるのは、喜屋武さんの友人・比嘉夏菜(比嘉さん)。比嘉さんはてーるーに恋をしており、方言と「沖縄あるある」を土台に三角関係が加速していく。
感心してしまうのは、“沖縄ネタ”の豊富さだ。「比嘉さん!」と呼べば街中の人々が振り返る、海岸で遊んでも海で泳がない……など、1巻からこれでもかとあるあるネタを展開してくるのだが、それは1月に発売された最新4巻で途切れるどころか、加速するばかり。もちろん、誇張された表現もあろうが、喜屋武さんや比嘉さんが生まれ育った背景が見えてくることで、二人のヒロインと沖縄という土地が、より愛おしく感じられるのだ。
一見、相互の理解を阻むように思える「方言」が、恋愛要素にも上手く作用する。「ツライ」ことばかりではない、そんなラブコメシーンも是非、本作を手にとって確認してほしい。(佐々木康晴)