宇垣美里が語る、マンガから学んだ生き方 「自分を嫌いになっても変えられないから、好きになるしかない」

宇垣美里が語る、マンガからの学び

100%で物事は伝わらないから、言葉を尽くす

ーーたとえば、本書の中で恋愛に際してもどかしい感情や心の揺らぎなどを「エモい」と表現していたり、またその「エモい」状況を別のさまざまな表現で説明している箇所が見受けられ、丁寧さや感受性の豊かさを感じました。こうした細かな状況や感情の表現をするようになったきっかけ、また影響を受けた作品などはありますか?

宇垣:たとえば何かに感動したり楽しいことがあったときに「楽しい」だけではなく、「どういうことが」「どう」「なぜ」楽しいのかを細かく考えたり書いたりしたい癖がありまして。「赤い」や「痛い」などの言葉も、読み手がどのような赤や痛みを想像するか分かりませんので、細かく、感情や状況を説明したいと考えているんです。そのように考えるようになったルーツは、割と小さなころから「100%で物事は伝わらない」ということを感じて、言葉を尽くさねばならないという想いがあったからだと思います。これまでにマンガも含めた読書や映画などを通じてたくさんの物語に触れてきましたが、基本的に物語って「人は分かり合えない」ということが色々なカタチで表現されていると思うんですよ。そうした意味で、特定の作品というよりも、多くの「物語」を摂取すればするほど「人はみんな違うな」ということを感じるようになっていったのだと思います。

ーー「自己肯定感」を大切にしているような表現がいくつも出てきましたが、普段から自己肯定感について意識していること、心構えなどはありますか?

宇垣:自己を否定することに意義を感じないんですよね。「自分なんて」みたいな言葉にメリットはないと思っていますし、むしろ「自分最高!」って思っていた方が割と上手くいくかなと(笑)。また「自分を嫌いになっても変えられないから仕方ない、好きになるしかないよね」と思うところもありますので、周りに自己を否定する人がいたならば「私の大切な人なので、勝手に否定しないでください!」と本人に対して思ったりもします。こうしたお仕事をしていると否定的な声も聞こえてこないわけではありません。そこから学ぶこともありますが、すべてを受け入れられるほど私は強くはありませんし、そうなりたいとも思っていないので、こんな私に仕上がっている感じです(笑)。そういうことをマンガから学ぶこともありますね。とくに最近は「身近なところにいるこの人は私のことを尊重してくれるから大丈夫!」みたいなことを表現している作品が散見できます。マンガを読んで癒されたりハッとさせられたりする人が多いからこそ、そうしたジャンルのマンガも増えているんだろうと思います。

ーー連載中とのことで、気が早いですが本書の第2弾も気になるところです。今回は恩田陸さんとの対談などがカップリングされていますが、第2弾が制作されると仮定して、どのようなカップリングを想定しますか?

宇垣:恩田先生との対談はすごく楽しい時間でした。やっぱり「作る人」とお話しをするのはすごく楽しいと思っています。TBSラジオの「アフター6ジャンクション」という番組にレギュラー出演させていただいているんですが、番組のゲストでマンガ家さんなどをお招きすることが多く、お話を伺った後でマンガを読むとまた全然違う角度で楽しめたりするんですよね。そうした意味で、いろいろな方のお話を聞く機会があるといいなぁと思っています。もし第2弾があるとしたら、どのようなカタチになるか楽しみですね。

ーー最後に、読者の方へメッセージをお願いいたします。

宇垣:この本は、マンガが好きな方にはぜひ読んでいただきたいですね。厳しい目で読んでくださるでしょうし、紹介しているマンガの違った良さを教えていただけるかもしれません。また、何となく「マンガって子供のものでしょ?」と思っている方がいらっしゃると思いますが、「大人が楽しめるマンガ、今のあなたにフィットするマンガはあるよ、だって世の中にはこんなにもたくさんマンガがあるんだもん」ということを伝えられたら、マンガを手に取るきっかけにもなるんじゃないかなぁ。そうした意味で、これまでマンガをあまり読んでこなかった方、マンガがあまり得意でない方にこそ読んでいただけたら嬉しいですね。この本は、ある意味で「補助線」のようなもの。マンガを読むための手引きとしても作用するといいなと思っています。

■宇垣美里
2014年、TBSに入社しアナウンサーとして数々の人気番組に出演。2019年3月に退社し、同年4月よりオスカープロモーションに所属。フリーアナウンサーとしてテレビ、ラジオ、雑誌、CMなどへの出演の他、女優業や執筆活動も行うなど幅広く活躍中。著書に『風をたべる』(集英社)、『宇垣美里のコスメ愛』(小学館)、『愛しのショコラ』(KADOKAWA)などがある。

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