目黒蓮 & 道枝駿佑『消えた初恋』で変化する関係性 少女漫画の王道をどう演じる?

目黒&道枝『消えた初恋』で変化する関係性

 Snow Man・目黒蓮となにわ男子・道枝駿佑がW主演を務めるドラマ『消えた初恋』(テレビ朝日系)は、『俺物語!!』を手掛けたアルコが作画、ひねくれ渡が原作を担当している大人気コミックが原作となっているドラマだ。『このマンガがすごい!2021』オンナ編で9位、『第11回 ananマンガ大賞』準大賞になるなど話題沸騰中で、ドラマにも自ずと注目が集まっている。

 そんな同作は、キャラクターの魅力やドラマと原作の親和性の高さなど、魅力が盛りだくさん。そんな数ある魅力のうちの1つがストーリーで、とりわけ青木想太(道枝)と井田浩介(目黒)の関係性の変化と、それに伴う2人の心境の移り変わりは非常に面白い。

 青木と井田の接点ができたきっかけは、勘違いから。思いを寄せていた橋下さん(福本莉子)から借りた消しゴムに「イダくん♡」という文字が書いてあるのを見てしまった青木。あっさり失恋してしまった矢先にその消しゴムを落としてしまい、井田に「イダくん♡」を見られてしまう。その消しゴムは橋下さんのものと言えない青木は、自分の消しゴムだと嘘をついて井田に勘違いされてしまったのである。その時点ではお互いクラスメイトの1人という関係性。親切な青木は時折井田にさりげない優しさを見せていたが、接点があまりなく特別仲が良いというわけではない。だからこそ、青木は井田に勘違いされたこと、井田は青木が自分を好きだということに気まずさを感じていた。そして冗談にできる間柄でなかったからこそ、その勘違いが加速していったのである。

 だが、青木の気持ちは徐々に本物の恋心へと変わっていく。あっくん(鈴木仁)や橋下さんに井田が好きだと知られて以降、坂道を転がるが如く井田を好きになっていく青木。「好きな人を友だちに教えるとより一層好きになる」という女子学生たちのセオリーにピッタリ当てはまっており、やきもきしている様子は少女漫画の主人公の王道そのものだ。その後、青木の告白で晴れて付き合うことになった2人。ここで終わりではなく、その先の2人の気持ちが細かく描かれているのが少女漫画の定石に則っていて良い。

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