【漫画】性格のキツい姉は迷惑か、それとも"ご褒美”か 一見上手なコメディ作品がプロ漫画家の添削で激変

 そして今回の添削のハイライトは、「主役がどちらか決まっていない」というものだった。元の絵を見ると、少年Aのほうが、「姉が強烈」というキャラクターがあり、黒髪のシンプルなヘアスタイルがやや主役っぽい。一方、短髪で軽そうな少年Bが脇役っぽくどちらかというと描かれているが、ストーリーをメインで引っ張っているのはこちらのキャラクターであり、ハイド氏は少年Bを主役と解釈。そう見えるように描き直したが、逆に少年Aを主人公に据えても、読ませる漫画に仕上げることができただろう。

 読者は主人公を中心に物語を理解していくため、単発のエピソードであっても、主人公が設定されていなければ、頭に内容が入りづらい。ペガサスハイド氏いわく、「主人公はストーリーの案内人」であり、それが明確でなければ、読んでいる読者が迷子になってしまうとのことだ。そして、設定した主人公を中心に、目立つように描いていくこと。これが当たり前のようで、意識しなければなかなかできないことなのだという。『ONE PIECE』も『鬼滅の刃』も、『ドラゴンボール』も『スラムダンク』も、個性的なキャラクターが大勢登場するが、ルフィも炭治郎、悟空も花道も、決して主人公としての存在感を失わない。「人気作はそれだけ、主人公がバチっと決まっている」(ハイド氏)というわけだ。

 当たり前に思えても、実際に創作を行う上では見落とされがちな、大きなポイントが示された今回の動画。素人から見ればすでにプロ級の漫画を描き、アドバイスを吸収する力にも優れているバーナードさんが今後どんな漫画を発表するのか、楽しみにしたい。

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