【漫画】性格のキツい姉は迷惑か、それとも"ご褒美”か 一見上手なコメディ作品がプロ漫画家の添削で激変

 各種アプリやウェブサービス、SNS等の隆盛により、漫画やイラストを発表する場が急増したことで、ウェブ発の人気作品も多く登場するようになった昨今。プロを目指したり、もっと上手になりたいと考えているクリエイターの悩みに応える「添削動画」が、YouTubeを中心に人気を博している。

 なかでも15万人を超えるチャンネル登録者を抱え、常に高い視聴回数を記録しているのが、元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏だ。視聴者から寄せられた一見上手なイラストや漫画が、プロの目線で細かく添削し、ワンランク上の作品にクオリティを押し上げるが、あくまで本人の長所を生かし、優しく背中を押すようなアドバイスが気持ちいい。自分では絵を描かない視聴者も、楽しく視聴できるのも、人気の要因だろう。

 11月14日公開の動画で取り上げられたのは、「ハイドさんの動画を観て漫画を研究しました」と語るバーナードさんの作品。登場人物は、スマホで姉の写真を見せる少年Aと、「スゴイ美人じゃん!」とうらやましがる少年Bの二人だ。どうやら「姉」は性格がキツいらしく、日々迷惑を被っていることを少年Aはボヤくが、少年Bは「ご褒美じゃん!」と目を輝かせる……という、絵も構成もわかりやすいコメディとなっている。

#35 一見上手な漫画もプロが見れば…? 少年2人の漫画の添削

 ペガサスハイド氏はいつも、作品の「良いところ」から分析していくが、今回は「基本をよく勉強している!」と評価。セリフは少なめでわかりやすく、人物だけでなく背景もきちんと描き込まれており、集中線も効果的で、吹き出しの形は発言者の心情により変化がつけられていて……と、これまで解説してきたポイントがしっかり押さえられていることを喜びつつ、「読者にとってはいつも見ていることだけれど、描こうと思ったらなかなかできることじゃない」と、丁寧な仕上がりをあらためて称賛していた。新人にとっては、単純に絵が上手いことより、バーナードさんのように手を抜かず、一生懸命に描いていることの方が武器になるという。

 それでは今回の漫画が完璧かというと、プロの目からは向上できるポイントがまだまだあるようだ。詳しくは動画を観ていただきたいところだが、スマートに見えたセリフも、「(姉の)性格キツクてさー 毎日パシリだよ」から「性格キツクてさー」をカットし、最初のコマでスマホに映った「姉」の表情をキツくすることで、「セリフではなく絵で表現する」ことを徹底。読み心地の確かな違いに、なるほどと唸らされる。

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