『鬼滅の刃』煉󠄁獄杏寿郎が炭治郎の心に刻み込んだ教え 高みを目指すことの尊さと美しさ

『鬼滅の刃』煉󠄁獄杏寿郎が炭治郎の心に刻み込んだ教え 

 あらためていうまでもないことかもしれないが、『鬼滅の刃』という作品のテーマのひとつは、「継承」である。たしかに、煉󠄁獄自身も認めているように、人間の一生は儚い。だが、その限りある時間で、それぞれがそれぞれの“高み”を目指すことの“尊さ”や“美しさ”はある。そして、その想いや培ったものを次の世代に受け継いでいくという永遠の“強さ”もあるのだ。

 思えば、煉󠄁獄杏寿郎と竈門炭治郎がともに生きた時間はわずか半日程度のものだったろう。だが、その短いあいだに煉󠄁獄が炭治郎の心に刻み込んだ“教え”は、剣の師匠・鱗滝左近次や、兄弟子・錆兎のそれに勝るとも劣らないものであった。そう――出会いから別れまではほとんど一瞬であったが、竈門炭治郎は、まぎれもなく熱き「炎柱」――煉󠄁獄杏寿郎の「継子」(愛弟子)であったといっても過言ではないのである。

■書籍情報
『鬼滅の刃(8)』
吾峠呼世晴 著
定価:440円
出版社:集英社

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