超能力者、ホームレス、ラーメン三銃士……『美味しんぼ』謎のキャラクターを考察

『美味しんぼ』謎の人物を考察

 日本を代表する料理漫画、『美味しんぼ』。山岡士郎と栗田ゆう子、そして海原雄山を中心に、さまざまな登場人物が料理を通じてさまざまなストーリーを展開する内容である。

 そんな『美味しんぼ』だが、なにかと謎な人物も登場する。今回は『美味しんぼ』に登場する謎多き人物を紹介したい。

クリス・ヴォーン

 『美味しんぼ』で最も謎めいた雰囲気と超能力で読者を驚かせたのが、クリス・ヴォーンだ。

 彼女は6巻に登場。記者を交えた会食の席でお吸い物をバカにされた山岡が激怒し、昆布や鰹節がいかに手間暇をかけたものかを説明する様子を見ると「様子を見たい」申し出て、「私は時間と空間を思いのままに行ったり来たりする能力を持っている」と話す。

 そして実際にその場にいた人物全員を瞬間移動で鹿児島・枕崎へ連れていき、そこから北海道の尾札部、東京の『岡星』へと移動し、最後に会食の席に戻す。驚異の能力を持ち、色々と利用価値のありそうなクリス・ヴォーンだが、その後作品に登場することはなく、「超能力」が描かれることは二度となかった。

ホームレスの辰さん

 銀座の料亭を知り尽くした人物として、山岡が信頼する辰さん。初登場時からホームレスで、銀座の料亭から出るゴミを片付けながら余り物をもらって生活していた。

 辰さんはただのホームレスではなく常人離れした味覚を持っており、山岡に『岡星』を紹介したのも彼だった。山岡も、辰さんの舌を信用しているようで、大日石油の成沢社長をデパートの試食売り場に招待した際には、エスコート役を任せ、数多くの料理から美味しいものだけを厳選する鋭い味覚を見せた。

 山岡や岡星夫妻からも信頼され、旅行などにも出かけている様子のある辰さんだが、「なぜホームレスになったのか」「普段どういう生活をしているのか」などは、ほとんど明かされていない。詳しく聞かないのが大人なのだろうが、少々気になってしまうのも事実だ。

ラーメン三銃士

 38巻の「ラーメン戦争」で、流星一番亭というラーメンチェーンに店を潰されそうになっている女性を救うために立ち上がった山岡の助っ人として、日本ラーメン総合開発研究所の長井が派遣した麺の乃士勇造、スープの出川実、具の多木康からなるラーメン三銃士。

 長井は「この3人はいろんなラーメン屋の立て直しに成功してきた人物」と胸を張ったが、製造段階で喧嘩を始めるなど、まとまりはいまひとつ。また、3人と山岡が協力して作ったラーメンも流星一番亭の味には劣るもので、最終的に栗田ゆう子が海原雄山の力を借りて解決している。

 読者の中には「どういう実績があるのか謎」などと言う声が上がっていた。

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