ラノベランキング、30年前刊行の『閃光のハサウェイ』がなぜ急浮上? 劇場版で人気が再熱か

30年前刊行『ガンダム』がランクイン

参考:Rakutenブックスのライトノベル週間ランキング(2021年7月5日~7月11日)

 1979年の登場から40年経っても、衰えない人気を見せる「ガンダム」シリーズ。6月から劇場上映されたアニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、1988年公開の『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を超える15億円の興行収入を稼ぎ出した。勢いは、30年前に刊行された富野由悠季による原作小説にも及び、Rakutenブックスの週間ライトノベルランキング(7月5日~7月11日)で、上中下の3冊がそろって10位以内にランクインした。

 『機動戦士ガンダム』の小説版を1979年に刊行したのを手始めに、富野由悠季は『機動戦士Zガンダム』や、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』といったアニメシリーズを監督する傍ら、小説版を自ら執筆。1988年に出した『機動戦士ガンダム 逆襲のシャ  ベルトーチカ・チルドレン』のように、アニメにはなっていないストーリーも送り出した。その富野が、『ベルトーチカ・チルドレン』から連なる小説として1989年から刊行したのが『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』だ。

 「ガンダム」シリーズのアニメをすべて観るなり、ノベライズを読んでいないと分からない作品と思われそうだが、それでは『逆襲のシャア』を数字で超えられるはずがない。『閃光のハサウェイ』がヒットしたのは、「ガンダム」シリーズを知らない人でも楽しめる要素が満載だったからだ。

 舞台が未来で、人類が地球を出て宇宙に進出していること、モビルスーツと呼ばれる人型の巨大ロボットが兵器として使われていることを知っていれば十分。あとは、宇宙から地球へと降り立ったハサウェイ・ノアという名の青年が、不穏な事態に巻き込まれていくサスペンス小説かスパイ映画のような展開を追っていけば良い。

 ハサウェイの父親は名前を知られた地球連邦軍の軍人だが、ハサウェイ自身は軍人ではなく、植物監視官の訓練地にシャトルで向かう途中だった。そこで起こったハイジャック事件で犯人たちを取り押さえ、着陸したフィリピンのダバオで事情聴取を受けることになったハサウェイに声をかけて来たのが、同じシャトルで地球に降りてきた、ギギ・アンダルシアという少女だった。

 地球連邦の閣僚たちが利用していたように、カネかコネがなければ利用できないシャトルに同伴者も連れずひとりで乗っていたギギとは何者か? そんな興味に誘われるストーリーは、ハサウェイがダバオで泊まることになったホテルから散歩に出た先で、奇妙な振る舞いを見せたことで、ハサウェイ自身の正体も含めて謎の濃さを増していく。「ガンダム」やニュータイプを知らなくても、スリリングな展開が作品世界に引っ張り込んでくれる。



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