漫画から抜け出てきたんですか? 『BANANA FISH』原作ファンが舞台を観に行ってみた
『BANANA FISH』が舞台化されました。
舞台化ねえ……主人公アッシュのモデルは世界一美しいリバー・フェニックスですよ? あの神々しい美しさを日本人が再現できるんですか? めっちゃアメリカンでハードボイルドな世界を日本人が舞台で表現できるんですか? いやー、熱狂的なファンである筆者は、正直そう思っておりました。
2次元から3次元へ変換するときのイメージのギャップは、誰もが心配するところ。衣装、ヘアメイク、舞台セットといった細かな部分が再現されているかも原作リスペクトを図る大きな指標です。その上で舞台ならではの表現や時代に合わせたアレンジができるのかも評価の分かれ目だと思います。
『BANANA FISH』は、吉田秋生先生の代表作で、1985年に連載が開始されました。ニューヨークを舞台に、マフィアとストリートチルドレンの抗争を描いていきます。ある日、ストリートギャングを束ねるアッシュは、瀕死の男性から「バナナフィッシュ」という言葉を聞きます。それは10年以上前、ベトナム戦争で薬物によって廃人になってしまったアッシュの兄が最後につぶやいた言葉と同じ。
バナナフィッシュとはなんなのか、人なのか、ものなのか……? その謎をアッシュが追い始めると、その秘密を握るマフィアから追われることになります。アッシュはもともと因縁のあったマフィアのボス・ゴルツィネと正面から戦うことになるんです。そんな中、日本人の英二と知り合います。アッシュが望むべくもなかった純粋で平和な世界の人。アッシュは英二を守りたいと思い、英二もまた、戦わなければ生きられないアッシュを守りたいと思うようになります。
全19巻の前半はバナナフィッシュを追う謎解き、中盤からはむちゃくちゃかっこよくなったアッシュと、アッシュに守られる英二との精神的ラヴな物語が展開していきます。2人の心の絆がめちゃくちゃ尊い作品です。
で、舞台ですよ。