印度カリー子 × 幸村しゅうが語る、スパイスへの飽くなき好奇心 「普通のご飯食べてもなんにも楽しくない」

印度カリー子 × 幸村しゅう「カレー対談」

スパイスと生活する楽しさを知って欲しい

ーーお二人は今後どんな活動をしていきたいですか?

カリー子:最近取り組み始めたのはフードロスの問題。捨てられてしまう食材や規格外の食材にレシピで付加価値をつけるのが料理家ができることかな、と。

 もう1つは食育です。私、カボチャもセロリも春菊も鱈も苦手だったんです。でも全部自分でカレーにしたら、なんでもおいしく感じられた。嫌いな食材を使ってカレーを作ってみる。フライパン一個で、難しい工程もない。そしたら子どもたちも嫌いな食材が好きになれるかもしれない。

 3つめは障がい者の自立支援。私の会社のスパイスは障がい者の方に作ってもらっているんですが、まだ賃金はそれほど高くないんです。スパイス工場で働くことで、一般的な賃金が得られるようにしたい。自分の「食べる」ことへの興味とスパイスに関連性をもたせて社会的な意義のある活動にしていきたいなっていうのがこれからの目標です。

幸村:私は助監督をやったり、介護施設で働いたりしてきたのですが、忙しいと本を読む時間はなかなか作れません。無理やり捻出して、寝る前の30分しか本を読む時間がないような生活をしてました。その30分の読書というのは、私にとって救いだったんですが、だからこそ、読後感のいい本を求めていたんです。そういったほんの少しの時間を割いて読書してくれた人たちに「ああ、この本を読んでよかった」と思っていただけるような本を書いていきたいと思っています。

 もう1つ、私にとって『私のカレーを食べてください』は完結しているんです。でも「続きはどうなるの?」ってよく聞かれるので、続きを書いてみたいなという気もします。

カリー子:小説の続きを映画化で落とし込むのはどうですか(笑)。

幸村:そのときはカレーの監修は是非、カリー子さんにやっていただきたいな。

カリー子:ホントに、やりたい。もうもはや成美になりたいくらいですもん。演技勉強して。

ーー続編が生まれるかもしれないと思うとワクワクしてしまいます……! では最後に読者へのメッセージをお願いします。

幸村:ふだんは本を読まない人にも軽い感覚で読んでいただいて、最後に成美と同じように、胸に希望を持って、自分も一歩踏み出そうという気持ちになってもらえたら嬉しいです。

カリー子:スパイスは、ちょい足しで日常生活をガラリと変える魔法の調味料。発見がほしいな、最近つまんないなと思う時は、スパイスを始めるチャンスです。1種類のスパイスだけでもいいし、複数買えばカレーも作れます。体験としての「発見」というワクワク感や、香りを吸って得られるリラックス感など、スパイスと生活する楽しさをぜひ知って欲しいですね。

■書籍情報
『一肉一菜スパイス弁当』
著者:印度カリー子
出版社:世界文化社
発売日:2021年1月22日(カレーの日)
定価:1,540円(税込)
https://www.amazon.co.jp/dp/4418203214/

■書籍情報
『私のカレーを食べてください』
著者:幸村しゅう
出版社:小学館
発売日:1月22日(カレーの日)
定価:1,600円+税 
https://www.amazon.co.jp/dp/4093866058?

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