レンタル彼女、パパ活、整形、ホスト狂い……リアル描写に阿鼻叫喚 『明日、私は誰かのカノジョ』の魅力を分析

リアルな描写に阿鼻叫喚『明日カノ』の魅力

各エピソードのエンディングは受け手次第

 そんなそれぞれのエピソードの結末は、ハッピーエンドか否か、意見が分かれるところでもある。それは「幸せの定義なんて人によって違うでしょ?」と問いかけられているようにも思う。

 だが、結末にはいずれも清々しさがある。また、ほかのエピソードにもそれぞれのヒロインたちが登場するので彼女たちのその後を知ることができるのも興味深い。まだ彼女たちは自身が思う幸せを見つけている途中なのだ。

 個人的にはリナの今後が気になっている。一見、「分かりやすい幸せ」を手に入れたように見える彼女はやはりパパ活を続けているのだろうか。となると、今後また辛い展開が待ち受けているような気がして……と、こうして読者の想像をかきたてる余白があるところこそ『明日カノ』の魅力なのだろう。

(文=ふくだりょうこ(Twitter:@pukuryo))

■書籍情報
『明日、私は誰かのカノジョ』(裏少年サンデーコミックス)1〜6巻発売中
著者:をのひなお
出版社:小学館
https://cycomi.com/fw/cycomibrowser/chapter/title/118

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