『STRiKE!』編集長が語る、グラビア表現の最前線 「自己表現として取り組んでいる子が増えた」

『STRiKE!』編集長が語る、グラビア表現の最前線 「自己表現として取り組んでいる子が増えた」

グラビアは人を撮ること

――写真表現という言葉がよく出てきましたが、やはりカメラマンの人選にもこだわっているんですか?

木村:第一線で活躍しているカメラマンに依頼して、自由に撮っていただくことを主眼にはおいています。僕は『B.L.T.』を担当していた頃から、密かに「グラビアカメラマン最強説」を唱えていて、カメラマンにも注目して見てもらいたい気持ちがずっとあったんです。

――「グラビアカメラマン最強説」とは?

木村:グラビアカメラマンという括りも曖昧ではあるんですけど、グラビアの現場って柔軟性がものを言うので、そこで活躍しているカメラマンの表現力は信頼できると感じていて。急にスケジュールが決まって、時間も予算もないなか近場で撮影することもあれば、まるまる1日を使って、いろんな場所で撮影することもありますし、事前に打ち合わせはしますが、当日天気が悪くなることもあります。現場に向かう道中にいい写真が撮れることもあるので、そのときの状況に応じて柔軟にカメラを構えられるグラビアカメラマンは、やはり凄いですね。撮ることや表現に対する情熱を感じます。

――偶然性はグラビアの現場ならではですよね。グラビアのインタビューでも、気づかぬうちに撮られていた写真が使われていたと言う話をよく聞きます。

木村:もちろん狙って撮るグラビアもあるのですが、カメラマンで言うと細居幸次郎さんが出てきた頃を境に、「セクシーに撮るグラビア」から「人を撮るグラビア」に様相が変わった実感があります。細居さんは、今や坂道グループなどのアイドル写真集を多く手掛ける人気カメラマンですが、彼が撮った、2009年に発売された逢沢りなさんの写真集『Rina』に衝撃を受けたことを覚えています。これまでのグラビアには、カメラマンがグイグイ攻めるイメージがあったのですが、細居さんの写真からは、そこに写る女の子が中心となった世界を感じました。細居さんの照れ屋な性格もあってなのか、教室の外からしか女の子を見られない一歩引いた感じが写真に表れていて、女の子も自然体で。スナップ写真のようなグラビアを成立させたのが写真集『Rina』であり、細居さんだと思っています。

――確かに細居さんの写真は、不意の瞬間や遠くから覗いている感じが多い気がします。スナップ写真とグラビアの重なりはどこにあったんですかね。

木村:今はカメラの性能が高いですし、いいカメラを使ってタイミングよくシャッターを押せばそれなりの写真が撮れますよね。では何で差が出るかというと、演出だと僕は思っています。細居さんは演出がとてもうまくて、例えば机の上に置いてある鉛筆を女の子に取らせて、その動作の途中の仕草を写真に収めるんです。このような動作の合間にある瞬間を捉えた写真のよさは僕も感じていますし、想像力を掻き立たせるためにも、むしろグラビアに必要です。ページに制限があると、どうしても削られやすい写真ではあるのですが、『STRiKE!』では自然な流れを見せたいので、合間の写真をうまく使って違和感なくストーリーを展開させています。

――そう言われてみると、服を脱ぐ途中の瞬間や遠目から撮ったスナップっぽい写真が多く使われていますね。

木村:特に第2号に掲載されている細居さんが撮った篠崎こころさんのグラビアは、エポックメイキングで面白いと思いましたね。僕が担当したページではないのですが、普通だったら絶対使われない女の子の顔が見切れた写真を使っているんですよ。それにお風呂でのカットは濡れた体を写すのが定番ですが、浴槽に座っている姿を遠目から撮っているのが斬新です。外でも撮っていますが、基本的に6畳ほどの部屋のなかで撮影して、これだけ幅のある写真を撮った細居さんの表現力の凄さを感じましたし、自然と空気感が伝わってきて、夢中になりました。

――お話を伺って、グラビアの楽しみ方や見せ方の奥深さを感じました。では、木村さんにとってグラビアとは、どういうものですか?

木村:見る側としても、作る側としても、楽しいものですね。正解がないなかで、どうすれば女の子の魅力を引き出せるかをみんなで考える時間が好きです。それに、グラビアって日本独自の文化ですよね。ただ脱げばいいだけじゃない“侘び寂び”のような奥ゆかしさがあるのが魅力だと思います。とはいえ、独立前は『TV Bros.』の編集部にいて、少しだけグラビアから離れていた時期もあるので、今は改めてグラビアを勉強させてもらっている身でもあります・・・

――最近のグラビアを見るなかで、昔との変化を感じることはありますか?

木村:昔に比べて、いい意味で芸能人っぽさがなくなってきましたね。みんな可愛いけど意外と普通の女の子たちで、身近な存在だから人間味が感じられて、写真にもそれぞれの個性が写っているので、見ていて楽しいです。プライドを持ってグラビアをやっている女の子が増えた印象があるので、僕もグラビアを頑張っている女の子たちを微力ながら応援させてもらえたら嬉しいです。

――今後は『STRiKE!』をどんな雑誌にしていきたいと考えていますか?

木村:グラビアを頑張る女の子たちが、自分らしさを表現できる場所になることが、『STRiKE!』の目標です。今は既に名前が売れている女の子に登場してもらっていますが、ゆくゆくは僕ら編集部でいいなと思った子を取り上げることも考えています。女の子のこと、そして写真そのものを見てもらえる雑誌にすることは一貫して変わりません。雑誌はイメージづくりも大事なので、第3号、第4号と、頑張って作り続けていきます!

■『STRiKE! 2回表』各グラビアの扉ページ

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■書籍情報
『STRiKE! 1回表』
定価:1,350円(税込)
出版社:主婦の友インフォス
公式サイト

『STRiKE! 2回表』
定価:1,489円(税込)
出版社:主婦の友インフォス
公式サイト

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