アナウンサー・弘中綾香が語る、“純度100パーセント”の本音 「多様性を人生のポリシーにしている」

アナウンサー・弘中綾香が語る、“純度100パーセント”の本音 「多様性を人生のポリシーにしている」

    テレビ朝日の弘中綾香アナウンサーが2月12日に初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』を発売した。雑誌『Hanako』の公式ウェブメディア『Hanako.tokyo』で連載中のエッセイのほか、作家の林真理子、お笑いタレント・オードリーの若林正恭、テレビプロデューサーの加地倫三の3名との対談や、彼女がひそかに憧れていたアナウンサー以外の職業になりきる「アナウンサー以外の弘中綾香29歳」のコーナーなど書籍オリジナル企画も加えた、盛り沢山の内容となっている。

 発売日は弘中綾香の30歳の誕生日。ひたむきに頑張ってきた20代を振り返りながら、新しく始まろうとする30代を見据えて、仕事や恋愛、人生を語った本著書を軸に、彼女の心のうちを探る。(とり)

“純度100パーセント”な言葉

――今回出版されるエッセイ本『純度100%』では、『Hanako.tokyo』で連載されていたエッセイのほかに、対談や憧れの職業になりきるページがありますが、この構成は弘中さん自身がお考えになったのでしょうか。

弘中:連載を一冊の本にまとめませんかという提案をしたのですが、30歳の誕生日に本を出すのが夢だったので、編集部のみなさんと相談しながら、構成はほぼ自分で考えました。まず、30歳の誕生日に発売するので、30歳までの私について綴ったパートと、30歳からの私について考えるパートの2つを軸にしようと。そこに、人生の先輩方と対談するページと今までの人生と違った道を歩んでいたらどんな仕事をしていただろう?という妄想をして憧れの職業を語るページを設けました。

――30歳の誕生日で本を出す夢はいつ頃から?

弘中:連載を始めさせていただいた当初は全く考えていなかったんですが、連載を続けていくうちに書くことに自信がついてきたので、「ある程度本数が溜まったら、書籍化とかできますかね?」と(笑)。自分の名前で本を出すことができ、夢が一つ叶いました。

――タイトルの『純度100%』とは?

弘中:初回で書いた「所信表明」というエッセイの文章中に“純度100パーセント”と書いていて、編集部の方が気に入って、タイトルにつけてくださいました。エッセイにも書きましたが、全て私が書いている文章なので、嘘偽りのない“純度100パーセント”な内容になっています。

――やはり、連載を始めるまでは、世間が抱くイメージと本来の自分にギャップを感じていたんでしょうか。

弘中:そうですね。アナウンサーとしてテレビ局の看板を背負って仕事している以上、発言には社員としての責任が伴います。仮にゴシップやガセネタが流れても、簡単には反論できない場合もあって。一方的にイメージが作り上げられていくなか、当時はSNSもやっていなかったので、自分の思いをストレートに発言する手段がないことに不甲斐なさを感じるようになっていました。私はもともと書くことが好きなので、今まで見せていなかったような自分の人となりを知ってもらうために、もっとオープンに文章を書きたいと思うようになりました。

――加地さんとの対談で、「好きなアナウンサー1位」の肩書きがなくても、本質で見てくれる人が大事だというお話をされてましたね。30歳を迎えるタイミングで今まで綴ってきたエッセイを一冊にまとめられたことは、本質を見てもらうきっかけになるんじゃないでしょうか。

弘中:連載は2019年の春から書かせていただいてますが、まさに私が注目され始めたのが2019年頃で。だんだんお仕事が忙しくなってきて、ゆっくり気持ちを整理する時間もなかったので、等身大の自分でいられる心の拠り所として連載を持たせていただけたことは、とてもありがたいことでした。連載を続けられた自負もありますし、きっと誰かは私のことを本質で理解してくれてるだろうと思います。私の勝手な妄想かもしれないですけど(笑)。

――テレビだと、場を盛り上げなければならない立場上、思うように言葉を伝えられないこともありそうですよね。

弘中:自分が意図しない方向に編集されてしまうことがあるので、コントロールは難しいですね。でも文章だと前後がはっきり繋がった状態で自分の言葉を発信できますし、テレビだと一言だけ切り取られるのが、文章だと約1200字で掲載されるので、言いたいことが言える安心感はありますね。

犬が苦手な人もいる

――連載で書くテーマは毎回どのように決まっていったんですか?

弘中:普通に生活するなかで、ふと疑問に思ったことや、友達との会話で気になったことをメモしているので、そこから書くことが多かったです。テレワーク中は人と会う時間が減りましたが、本を読んだり映画を見たり、インプットする時間が多かったので、そこで感じたことをテーマにすることもありました。基本的には日常で感じた些細なことを題材にしているので、ネタ切れに困ることもなく、コンスタントに書けましたね。

――読みやすくまとめられていながらも、弘中さんが話している声が自然と聞こえてくる文章だと感じました。エッセイを書く際に意識されたことはありますか?

弘中:構成も何も考えずに書いてましたね。あまり考えすぎると、うまい言い回しやかっこいい慣用句を使って書きたくなってしまうので(笑)。速いときは1〜2時間でスピーディーに書き上げてました。

――連載を始める前、Hanako編集部の方に今まで書き溜めていた文章をお見せしたとエッセイに書かれていましたが、どんな内容の文章だったんでしょうか?

弘中:「〇〇が嫌いだ」シリーズです。連載でも何度か書きましたが、「犬が嫌いだ」みたいなネガティブな内容ですね。なぜネガティブなことを題材に書いていたかと言うと、負の感情でモヤモヤしたくなかったから。悲しいことやイライラすることがあっても、あまり人に相談するタイプではないので、まとめて言葉に書き出すと気持ちが楽になるんですよね。でも、あまりにネガティブな内容だったので、編集部の方からは「好きなもの」シリーズで書きませんか?と提案していただきました(笑)。そこからは、好きなものについても書くようになりましたよ。

――誰かに見せるつもりもなく書き溜めたネガティブな文章って、人に見せるのに勇気がいりませんか?

弘中:私の書いた文章が読み物として成立するのかどうかを編集部の方に判断してもらいたかったので、大丈夫かな?という不安はありましたが、ネガティブな感情を出すことに対する不安や心配は特になかったです。もちろん、いろいろ思われるでしょうけど、私は多様性を人生のポリシーにしているので。「犬が嫌いだ」って言うと「それは人じゃないよ」って言われることがあるんですけど、「犬=かわいい」ってみんなが思えるわけじゃないんですよ。エッセイを通して主義主張をしたいわけではないですが、いろんな人がいるんだってことは伝えたかったので、エッセイで発信できてよかったです。

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