『ONE PIECE』における“本物の仲間”とは? ウォーターセブン編の名シーンを考察

『ONE PIECE』ウォーターセブン編を考察

 刊行98巻を迎え連載開始から24年が経過しても、今なお漫画界の第一線を走り続ける作品『ONE PIECE』(集英社)。そのなかで、作中でも屈指の名シーンが数多く描かれ、根強い人気を誇っているのが「ウォーターセブン編」である。本稿では「ウォーターセブン編」の魅力を、エピソードのポイントと共に改めて振り返っていく。

ウォーターセブンでの目的とは?

 麦わらの一味を乗せロングリングロングランドを出航した海賊船・ゴーイングメリー号は、次なる目的地「ウォーターセブン」へ向け陽気に海を進む。一味のウォーターセブンでの目的は、“船の修理”及び“船大工を仲間に迎える”ことだ。

 水の都・ウォーターセブンにて空島で調達した黄金を3億ベリーもの大金に替えた一味は、早速ウォーターセブンの市長であるアイスバーグのもとを訪ねる。しかしメリー号は度重なる無理な航海で甚大な被害を受けており、すでに修復不可能であることを知らされるルフィ。

 時を同じくして、ウソップにある事件が起きていた。ウソップが所持していた2億ベリーが、街の解体屋「フランキー一家」に強奪されていたのだ。そして船が直せないことに責任を感じ、またルフィが船を乗り換える決断をしたことにウソップは怒りを露わにする。

 口論の中で「そんなにおれのやり方が気に入らないのなら、今すぐこの船から……」と口にしてしまうルフィ。周りが止めに入るものの時すでに遅し。ウソップは一味を抜けることを宣言し、ルフィにメリー号を賭けた決闘を申し込む。ことの顛末に納得がいかないメンバーだが、このとき一味はもう1つの大きな問題を抱えていた。ウォーターセブンに入島してから、アラバスタから一緒に旅をしてきたロビンが姿を消していたのである。クルー2人を欠き絶望の淵に立たされる麦わらの一味。しかしこの2つの出来事は、これから巻き起こる大事件の序章に過ぎなかった。

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