嵐・大野智、最新アート本『FREESTYLE』で明かしたファンへの想いーー多彩な作風はなにを表現している?

大野智、最新アート本に込められた感情

 さらに、ジャニー喜多川氏を描いた新作。これまでも人物画を描いてきた大野だが、今回は「思いがあるものを描きたい」という意思のもとジャニー氏を選んだという。しかもこれまでにないタッチで、どこか大野が模写してきたという鳥山明のタッチの印象も受ける。今までにない新しい描き方でジャニー氏を描くということから、ジャニー氏に対する特別な想いのようなものも受け取った。

 同書の最後に収録されているメイキングカットも、彼のアート活動を覗き見しているような気分になれる。個展だけでは、なかなか知ることができない一面だ。そして、ロングインタビューの中で語られていた、グッズの話にも感銘を受ける。2020年1月3日放送の『嵐ツボ』で、大野は「ファンの子あってのうちら」と語ったことがある。立場上、思うように伝わらないこともあるのかもしれないが、ロングインタビューを読むことで大野がどれだけファンを大切にしているかを改めて知ることができた。

『FREESTYLE』シリーズの一作目

 嵐としての活動とは別に、『FREESTYLE』シリーズは“大野智”という人物を改めて見つめることができる、貴重な機会だ。嵐の活動休止は悲しいが、その充電期間中また思うままに、感じるままに、アート作品を作ってくれるのだろう。そしてその作品たちが世に出た時、我々はまた大野を身近に感じることができるはずだ。そんな彼のこれまでの集大成を目に焼き付けるためにも、ぜひ『FREESTYLE 2020 SATOSHI OHNO EXHIBITION』を手に取ってみてほしい。

■書籍情報
『FREESTYLE 2020 SATOSHI OHNO EXHIBITION』
大野智 著
価格:¥2,200
出版社:KADOKAWA

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