真野恵里菜、アイドルと女優の狭間で見せた魅力 22歳の写真集『まのちゃん』の輝き
2013年10月に発行された真野恵里菜のハロプロ卒業後初の写真集『まのちゃん ~Dear Friends~』(ワニブックス)が、2020年9月にデジタル写真集として配信された。真野恵里菜本人もLINEBLOG(2020/9/28)で当時のオフショットと共に「写真集を創り上げてきた身として嬉しい限り」とお知らせをしていた。
現在は女優、モデルとして活躍する真野恵里菜。『とと姉ちゃん』、『逃げるは恥だが役に立つ』、『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』など数々の人気作品に出演を果たしてきた。女優の真野恵里菜を知った人、好きになった人にこそ、この写真集をきっかけに『女優の真野恵里菜はハロー!プロジェクトのアイドルとして活動をしていた』こともぜひ知ってほしい。
ハロー!プロジェクトとしての真野恵里菜
グループアイドル全盛期の2008年、ソロでデビューをした真野恵里菜。憧れていた松浦と同じように「ハロプロのソロアイドル」として活躍するアイドルとして歌ったり踊ったりすることはもちろん、この頃から女優業にも挑戦していた。また、SNSやブログなども活用し、我々にたくさんの人間的魅力も見せてくれた。そして2013年、真野恵里菜は約6年在籍したハロー!プロジェクトを卒業した。
今回紹介する写真集、『まのちゃん ~Dear Friends~』は、ハロー!プロジェクト卒業後、初の写真集である。ハロー!プロジェクトを卒業し、『機動警察パトレイバー』の主演も同時期に発表、アイドルを卒業し女優として駆け上がりはじめた真野恵里菜を収めた貴重な一冊だ。
ショートカット、22歳、ハワイ
『まのちゃん ~Dear Friends~』はハワイで撮影が行われた。当時22歳だった真野恵里菜が、初めてのハワイを満喫する。
「ハワイで写真集といえば」な、王道の水着写真をたっぷり堪能できる。白水着で砂や水をかけ、紺の水着でシャワールームで水を浴び、紫の水着で岩に立つ。アイドルならではのかわいらしいカットと、女優としての未来がすごく楽しみになる、少し背伸びをした大人っぽいカットが交互に続く。
写真集を見る前は「真野ちゃん真野ちゃん!」って気軽に呼べていたのに、急に大人っぽい表情やシーンを見せられ「ま、真野さん……」と、軽く愛称で呼べなくなるような写真もあり、新たな一面を見れた嬉しさと、なぜか心配する気持ちを持ってしまう。感情が忙しい。
特に印象に残ったのが、序盤に差し込まれているカットだ。斜めになった標識、くたびれたカラーコーン、苔の生えた岩、ちょっと違うところを向く真野恵里菜……。王道な写真も良いが、少しシュールで、写真の意味を考え込んでしまうようなカットが入っているのも面白い。
海外の風景と一緒に真野恵里菜が映っていることで、一緒に旅行をしている気分だったり、一人旅を盗み見気分を味わったり、人によっていろいろとらえ方はあると思う。筆者の捉え方は「海外のきれいな背景の中にある少しくたびれたモノが、夢と現実の共存風景に思えて、このまま異世界に連れて行かれてもおかしくないな」に落ち着いた。
皆さんはこのカットをどうとらえるのだろう。
太陽の光を浴びる真野恵里菜はすごくかわいい
『まのちゃん ~Dear Friends~』に掲載されている写真のすべてがかわいいのだが、かわいいを超えてハッと息を飲んでしまうカットがあった。
一枚は自然光を浴びながら上体を起こしこちらをじっと見つめるカットだ。光の具合、素のような表情、風で揺れる髪の毛。その一瞬を雰囲気ごとまるっと切り取ったようで、じっと見入ってしまった。顔のきれいさも際立っている。
太陽の光がきれいにあたり、髪の毛が透けるようなカットも多く、目が輝き、透明感も倍増、顔や服にできる影もかなり良い感じだ。太陽の光を浴びる真野恵里菜は、すべてがかわいい写真集の中でも特にかわいい。
また、紺の水着で水を浴び、少し上から撮った構図のカットもすごく良い。写真集のほとんどが茶髪で所々ハイライトが入っている明るめの髪色だが、水を浴びることで少し落ち着いた色に見える。少し暗く見える髪色、濡れ髪でメイクもふんわり系ではなく、写真集の中で一番クールなパートだ。大胆すぎる構図もあり、大人っぽさを存分に感じられる。
「アイドルと女優の間の時期だからこそ」表現できる魅力があるのだ。