『鬼滅の刃』は『SLAM DUNK』の記録を越えるか? ジャンプ作品が上位席巻、コミックス週間ベストセラー

『鬼滅の刃』は『SLAM DUNK』を越えるか

 『BURN THE WITCH』は、2018年に発表されて大反響を呼んだ読切作品がシリーズ連載化されたもので(なんとこの1巻が発売された段階で、アニメ化もされている)、主人公は「ニニー」と「のえる」というふたりの少女。物語は「表(フロント)ロンドン」の裏側にある「リバース・ロンドン」で繰り広げられるのだが、その世界には「ドラゴン」と呼ばれる異形の存在がおり、ロンドンにおける全死因の72%に“それ”が関わっているという。

 ニニーとのえるは、ドラゴンの保護と管理を任された機関「WB(ウイング・バインド)」所属の魔女なのだが、タイプの異なるふたりのキャラの掛け合いというものは(バディ物のセオリーではあるが)読んでいてひたすら心地いい。また、ブルーノ・バングナイフをはじめとした、個性的な「トップ・オブ・ホーンズ」の面々の今後の活躍にも期待したい。

 なお、同書は本体600円+税と、「ジャンプ コミックス」としてはやや高めの定価が設定されているが、本文のページ数が他よりも多いだけでなく、鮮やかな深紅のカバーを外すと、ヒロインふたりのイラストがカラーで印刷された美しい表紙が現れるという凝った造本になっている。さらには両面フルカラーのピンナップもついており、久保帯人の公式アカウントによると、「初版以降、帯の仕様は変更の可能性がございますので早めのゲットをおすすめします!」とのことなので、“紙の本へのこだわり”を感じたい人は、いますぐ入手しておいたほうがいいだろう。

■島田一志……1969年生まれ。ライター、編集者。『九龍』元編集長。近年では小学館の『漫画家本』シリーズを企画。著書・共著に『ワルの漫画術』『漫画家、映画を語る。』『マンガの現在地!』などがある。https://twitter.com/kazzshi69

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