乃木坂46、欅坂46、日向坂46……グループ写真集から浮かび上がる、それぞれの個性

坂道グループ、写真集に現れる個性

 坂道グループの人気や注目度がさらに最近さらに上昇している。乃木坂46は4期生が歌う「I See…」がバズったりと新しいファンの獲得に成功している。欅坂46は活動に終止符を打つと発表したが、新グループ名が櫻坂46になることを発表し、今後の活動への期待が膨らむ。日向坂46はバラエティ番組では引っ張りだこ。1stアルバム『ひなたざか』も大きな注目を集め人気も評価も鰻登りだ

 どのグループも人気はあるものの、それぞれ方針も違うし全く違う個性を持っている。それは音楽活動やメディアに出演する姿からも伝わってくるが、メンバーを撮った写真からも伝わってくる。グループ全体の写真集をそれぞれ発売しているが、その方針も表現方法も全く違う。それによってグループの個性を表しているのだ。

 写真集のリリース数が最も多いグループは乃木坂46だ。多くのメンバーがソロ写真集を発売しており、特に白石麻衣の写真集『パスポート』は累計40万部の大ヒットになっている。ソロ写真集でも清楚で美しいグループのイメージを反映させたものであることは共通している。ソロ活動でもグループの顔としての活動をしているのだ。水着やランジェリー姿に挑戦しているメンバーもいるが、そこにいやらしさはなく爽やかに写っている。写真集によってグループのイメージや個性がより色濃くなっているように思う。

乃木坂46『乃木撮』

 グループ写真集では他のアイドルとは違うコンセプトに挑戦していることも印象的だ。『乃木撮』ではプロのカメラマンは参加せずメンバー同士で写真を撮り合っている。そのためライブの舞台裏や楽屋で食事をとっている姿、自宅での姿など、普段は見せることがないであろう写真が多い。自然体な表情や仕草はメンバー同士で写真を撮るからこそ引き出すことができたのであろう。おちゃらけたりふざけあっている姿はキュートでアイドル性が高い。各写真には撮影メンバーのコメントも記載されており、仲の良さや絆の深さを感じるものになっている。舞台裏でも乃木坂46は変わらずに世間のイメージ通り一流のアイドルの姿で居続けているのだ。

欅坂46『21人の未完成』

 それに対して欅坂46のグループ写真集『21人の未完成』はメンバーが一緒に写っている写真はなく、各メンバーのソロカットをまとめた作品になっている。21人のメンバーを21人のプロカメラマンが撮り下ろすコンセプトであり、メンバーとカメラマンによる個性の融合によってアーティスティックな作品を創り上げた。アイドルの写真集だが笑顔の写真はほとんどない。『サイレントマジョリティ』や『不協和音』などのMVやライブパフォーマンスで見せていたようなクールな表情が中心。メッセージ性の高い楽曲や「笑わないアイドル」と評されたグループのイメージによって、今までにない新しいアイドルになった欅坂46。そんなグループの個性を写真で表現しているように感じる。写真集でも既存のアイドルとは違うことに挑戦し、アイドルシーンに新しい価値観を提示しているのだ。

日向坂46『立ち漕ぎ』

 日向坂46のグループ写真集『立ち漕ぎ』は先輩グループと比べると王道なアイドル写真集である。4泊5日の沖縄への修学旅行がコンセプトだ。旅行を楽しんでいる笑顔のメンバーの姿や、仲良くふざけ合っている姿を見ると自然と笑顔になってしまう。また水着姿やランジェリー姿など今まで見せることがなかった色気を感じる写真にはドキッとする。プロのカメラマンによってメンバーの可愛さをしっかり引き出している印象だ。その写真からはグループが常日頃から掲げている「ハッピーオーラ」が伝わってくる。

 日向坂46は特にメンバー同士の絆が深いグループだ。多くの楽曲で振り付けを担当しているTAKAHIROはドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』で「みんなが手を握り合いながら協力して進んでいく。それが日向坂の魅力」とも語っていた。そんなメンバー同士の絆を表すかのように、巻末には卒業したため作品に参加できなかった柿崎芽実のコメントも記載されている。写真集の発売が彼女の卒業直後だったとはいえ、卒業メンバーがこのような形で参加することは珍しい。メンバーの深い絆を考えると、それも必然的なことなのかもしれない。

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