牧野真莉愛『マリア 17歳』思春期のビキニ姿の眩しさ "モー娘。最強美少女"の名作を振り返る
ワニブックスから以前に発売された「ハロー!プロジェクト」関連の写真集が、電子版として毎月リリースされている。8月は鈴木愛理の写真集3タイトルと、牧野真莉愛の写真集3タイトル、計6タイトルを配信。その中で今回注目するのは、モーニング娘。’20牧野真莉愛の写真集『マリア 17歳』。
"モー娘。最強美少女"
9月2日放送の日本テレビのバラエティー番組『今夜くらべてみました』(日本テレビ)で、モーニング娘。特集が組まれ、指原莉乃や市川紗椰らが、愛を熱く語り、「モーニング娘。」関連のワードが次々Twitterのトレンド入りするなど大反響となったが、メンバーを代表として出演したのが、リーダー・譜久村聖と牧野真莉愛。この番組で牧野の存在を知った人も多いはず。
"モー娘。最強美少女"と言われる牧野。その理由は、大人っぽい顔立ちの正統派美少女の容姿と、現メンバーの中でも最長身で、手足が長く、クラシックバレエで培われたメリハリのきいた体型。特にウエストラインは芸能界でもトップクラスと言え、もはや造形美を感じる美しさだ。モーニング娘。のグラビア担当として、週刊少年マガジン、週刊少年サンデー、週刊少年チャンピオンと、巻頭グラビアがある週刊少年誌すべてのソログラビアを制覇したのは、現役ハロー!メンバーで牧野だけ。AKBグループや坂道系グループが席巻していた当時のマンガ誌のグラビアにおいて、ハロー!を背負って孤軍奮闘していた。
また、北海道日本ハムファイターズのファンを公言し、野球関連の仕事に積極的に携わり、これも現役メンバーで唯一のソロラジオである『モーニング娘。'20 牧野真莉愛のまりあん♥LOVEりんですっ♥』(CBCラジオ)のパーソナリティを務めるなど、他のメンバーとは違う独自路線で、モーニング娘。の存在を世間に発信し、新規ファン獲得に大いに貢献している。
牧野は、2012年にハロプロ研修生となり、約2年間の研修を終え、13歳の時に、憧れの先輩である道重さゆみの卒業公演で、12期メンバーとして加入。2019年4月17日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』で、芸能界きってのモーニング娘。フリークである松岡茉優が牧野について「ライブの消費量はたぶんみんなの2倍くらい動いてると思う。長い手足を活かして、ちぎれそうなくらい踊ってるんです」と紹介していたが、スタイルの良さを活かした牧野のダンスは常に全力でダイナミック、それでいて長時間パフォーマンス力が落ちない驚異的な体力。そんな逞しい姿に魅了されていると、必殺のウインクで心奪われる。圧倒的なルックスと、「まりあんLOVEりんですっ♡ 」と自己紹介するあざとかわいさは入口で、本当の魅力は頑張り屋のところ。道重さゆみのアイドルポリシーを受け継ぐのが牧野だ。
そんな牧野が17歳の誕生日にリリースした写真集が『マリア 17歳』。16歳から17歳への約1年間かけて撮影された彼女の記録。早熟したルックスとスタイルの良さが牧野の魅力だが、その大人になりかける変化の瞬間が感じられる写真集だ。
春の桜が咲く東京から始まり、桜に溶け込む白い制服姿の彼女は、まさに新しい始りへの覚悟を感じる美しいショット。制服姿で見つめるカットや、家でアンニュイな雰囲気で寛ぐ姿は、大人っぽくもあどけなさが残り、少女と大人を行き来する思春期の魅力に目が奪われる。夏真っ盛りの静岡の学校に季節は変わり、プールのシーンでは、青空の下スクール水着の彼女が登場する。やはり制服との対比はドキッとさせられ、同級生の男友達に見せるような、無邪気で優しい表情を見せてくるから尚更だ。
舞台は変わり、グアムの海に白ビキニで登場。スラッとした手足の長い体型と、さっきまでスクール水着で守られていた引き締まったウエストラインが露わになり、うっすらと浮かぶ腹筋のシルエットが本当に美しい。また、バレエを踊る手足のしなやかさ、赤いワンピースで山に佇み、風の流れに任せるように体を曲げる時の、首筋から胸にかけてのラインはまさに造形美。そしてピンクのビキニなってプールサイドに寝転ぶ頃には、すっかり大人の顔になっているのが見てとれる。
そんな中でも野球好きである牧野が、ピッチャーマウンドに向かう姿の写真が実に幻想的。そして最後は、雪降る北海道。無邪気な姿も、何か一線を超えた関係性というか、これで出会うのが最後というか、温もりと儚さが共存した表情を感じ、そして別れるように制服姿で雪の中を去っていく。まさに思春期の心の成長を表現したような写真集で、後続する作品にはない、未熟の魅力に溢れている。そして、こんな美しい子が、あれだけ激しいダンスをするとは思えないからこそ、そのギャップに好きにならずにいられない。"モー娘。最強美少女"の意味が分かる一冊だ。この後18歳、19歳の誕生日に写真集を出版し、牧野サーガとしてまとめて見ると、成長していく姿が更に味わい深いだろう。