YouTuber とっくんが語る、自分を大蛇丸と信じて止まなくなった理由と料理へのスタンス

とっくんが語る、大蛇丸との出会い

唯一無二の売りは「一般男性」が出版したこと

豚キムチももちろん、ビールにぴったり

――今回レシピ本を発売するにあたって、いつごろから動き出したのでしょうか?

とっくん:出版社の担当編集者さんからお話があったのが昨年の11月末ごろ。YouTubeで動画を出し始めて1カ月位のタイミングでしたね。なので、まだレシピ数が少なくて。「もっと数を作ってください」「はい、頑張ります」と(笑)。

――当時はいくつぐらいだったんですか、レシピ自体は。

とっくん:10品くらいでした。 でも1冊の本にするには「4月くらいまでに60品以上はほしい」って言われて。正直「キツッ!」と思いました。レシピ以外に、文章も自分で書かせていただいて。一番苦労したのは“大蛇丸”のセリフは本では使えないので、直接連想させるような文言を避けつつ、でも動画で僕を知ってくれた人も楽しめるような表現を……と、頭を捻って考えました。

――これまでレシピ本を愛読されていた視点から、ここはいい出来栄えになったと自信を持っているところはありますか。

とっくん:唯一無二の売りとしては、やっぱり肩書きとして、調理に対する特別な技量を持っているわけではない、いわゆる「一般男性」のレシピ本であるということですね。等身大の料理に対するスタンスみたいなところが伝わればと思っています。「台所に立つのは楽しい」って思ってもらえたらいいなと思って動画もあげているので、そんなところが伝われば嬉しいですね。ぜひ「はじめに」と「おわりに」は、読んでほしいです。色々、書いては消して、書いては消して、伝わりやすくするようにはどうすればいいんだろうって思いながら、でも自分の言葉で伝えたかったんで。

――途中でワニ肉のレシピが出てきて驚きました(笑)。

とっくん:あれは、いわゆる男心なんですよ。例えば、身内でバーベキューするときに「ワニ肉持ってきました」って言いたい、みたいな。そういう時に、無理やり食べるんじゃなくて、より美味しく、ちょっとそれっぽく作るにはどうしたらいいんだろうってなった時に、あのページを使ってもらえたらいいかなと思います。

――とっくんさんといえば、「うますぎてウマになったわ」に代表される独特なワードセンスも人気ですが、どんなタイミングで誕生するんでしょうか?

とっくん:元々ネットスラングが大好きなんですよ。例えば「それな」っていうじゃないですか。段々「それ」を「そり」って言う人が出てきて、「それすぎて」みたいな感じを「そりすぎてソリになった」っていうネットスラングがあるんですけど、個人的にそれがめちゃくちゃ好きで。それウマでもいけるじゃん、という思いつきで生まれました。そのときのフィーリングで思いついたことを話しています。

――「ビールで優勝」はどこかにあった言葉なんですか。

とっくん:おいしいものを食べて、いわゆる高揚感を得るという意味での「優勝」は元々ネットスラングにあったので、「これでええやん」って。おいしいって言っても伝わらんし。言葉遊びとか親父ギャグとかが大好きなんですよ。

――今後こんなことがしたいという目標や夢はありますか?

とっくん:本当に飲むのも食べるのも好きなので、情勢が落ち着いたら福岡でうまいもん巡りみたいなことをして、なんらかの形で発信していきたいですね。ちょっと背伸びして行きたい飲み屋、若手新入社員が接待で選ぶと得意先に喜んでもらえる飲み屋とか……西中洲の飲み屋限定本みたいに、やるならターゲットを絞って、めちゃくちゃコアな感じでやりたいですね。業界の人と視聴者さんの一部しか買わないような専門誌とか興味あります(笑)。

――そこまでいった「一般男性」は、見たことないですもんね。

とっくん:そうですね。この人がうまいっていうところは絶対信頼できるみたいな、飲み屋がめっちゃ好きなおじさんになりたいです。応援よろしくお願いします!

(料理写真 撮影:よねくらりょう/提供:KADOKAWA/とっくん本人写真(C)Kiii inc.)

■書籍情報
『手っ取り早くウマい酒が飲みたい!! ビールめし』
とっくん 著
発売中
定価: 1,540円(本体1,400円+税)
出版社:KADOKAWA

■関連情報
とっくんのYouTubeチャンネル

 

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