石田ゆり子に学ぶ、魅力的な年齢の重ね方 生き様を映し出すファッション
どんな自分が好きで、どんな自分でいたいか
最近では、ミニマムな生活を楽しむ人も少なくない。自分で“制服“のように、お決まりのコーディネートを着ることで、服選びの時間を効率化するスタイルだ。意外にも、これほど魅力的なクローゼットを持つ石田ゆり子も、鏡の前でしっくりくる着こなしが決まらず、憂鬱な時間を過ごすことがあるそうだ。
そんな彼女が見つけたのが「シルク素材の白いブラウス」。ボトムスにはパンツで、靴はフラットシューズか少しだけヒールを合わせて。小さなフリルに「王子様の少年ぽさ感じる」なんて小さなテーマをつければ、MY制服の中にも新鮮さが生まれる。定番アイテムを作ることで、ディテールを楽しむ余裕を持つというライフハック。
クラフツマンシップを感じる美しい作品に出会う喜び。自分の考えが年齢と共に変化していく面白さという王道のファッションの楽しみに加えて、迷わないという気持ちよさも取り入れていく。そんなファッションと柔軟に向き合っていく姿が印象的だ。
“シャネルのジャケット“に書かれているように、きっと石田ゆり子にとってファッションとは「自分が何が好きで、どんな自分でいたいか」を見つめる行為そのもの。「世界の中のひとつぶ、として自分らしく、少しでも素敵でいたい」と願いながら、服を、靴を、小物を選んでいく。それは、自分自身を選び取るということだ。
クローゼットは、自分の生き様を映す鏡。自分がこれまで何を大切にしてきたのか、これからどんな自分になりたいのか。人生を彩ってくれるアイテムが、気持ちよく取り出せるように、クローゼットの整理から始めてみよう。本作を、石田ゆり子のクローゼットを見返すたびに、そんな前向きな気持ちに包まれるに違いない。
■書籍情報
『LILY'S CLOSET』
著者:石田ゆり子
出版社:マガジンハウス
価格:1,980円(税込)
https://magazineworld.jp/books/paper/3109/