麒麟・川島明の“タグ大喜利”から伝わる、芸人同士の関係性 バイきんぐ小峠の反応は?
漫才の出番が終わって和牛に写真をお願いしようとすると、ふたりはすぐにネタ合わせを始める。
今出番を終えたこの感覚のままネタ合わせをして、修正しようとするストイックすぎるスタイル。写真をお願いするためにネタ合わせが終わるのをもじもじしながら待っていたあの時の僕はただのファンでした。仔牛(※筆者注)でした。
お笑いに対して真面目な後輩を邪魔するわけにいかず、もじもじしている川島を想像するとなんだか微笑ましい。
一方、バイきんぐ小峠は写真を撮らせてほしいとお願いすると「なんだよ、何に使うんだよ」と警戒心マックスで疑ってきた。
「インスタです、あとsmartって雑誌にも載ります」と説明しても「俺のどこがsmartなんだよ。なぁ!本当のこと教えろよ!」と信じてくれない始末。あまりにもドッキリにかけられすぎてもう人間不信になっている亀仙人。「もういいから、いいから、とりあえず写真撮らせてください」と半ば強引にシャッターをおしました。そんな不信感を抱いたがために絶妙な表情を提供してしまうのも小峠さんの素晴らしいところです。
小峠の絶妙な表情とそれにぴったりなタグはぜひとも本文で確認してほしい。「俺のどこがsmartなんだよ」という最高のツッコミフレーズがスッと出てくるあたり、さすがだなあと思ってしまう。小峠のツッコミ能力の高さを窺い知ることができるエピソードだ。
大喜利のお題となった59人の豪華芸人のほか、有名な絵画や彫刻品で大喜利をするコーナーや、カバー下にも大喜利が隠れている。ステイホーム中で気分が重くなりがちな日常の清涼剤になってくれる一冊だ。
※注:和牛のふたりはラジオでリスナーのことを「仔牛ちゃん」と呼んでいる。
■ふじこ
10年近く営業事務として働いた会社をつい最近退職。仕事を探しながらライター業を細々と始める。小説、ノンフィクション、サブカル本を中心に月に十数冊の本を読む。お笑いと映画も好き。Twitter:@245pro
■書籍情報
『#麒麟川島のタグ大喜利』(TJ MOOK)
著者:川島明
出版社:株式会社 宝島社
発売日:2020年5月25日
価格:本体1,200円+税