『ONE PIECE』の本当の面白さが爆発するのは50巻から! 再読して気づいた、長編漫画でしか味わえない興奮と感動

『ONE PIECE』の本当の面白さが爆発するのは50巻から! 再読して気づいた、長編漫画でしか味わえない興奮と感動
『ONE PIECE』1巻

 1997年に『週刊少年ジャンプ』で『ONE PIECE』(集英社)の連載が始まった時、「ど真ん中だ」と思った。モチーフとなる海賊はジャンプのトレードマークで、白と黒のコントラストがはっきりとした絵は『DRAGON BALL』の鳥山明の影響を強く感じた。そして、次々と仲間を増やしていく主人公のルフィの姿は、ジャンプの原点と言える本宮ひろ志の『男一匹ガキ大将』の主人公・戸川万吉を彷彿とさせた。だからこそ「海賊王に、俺はなる!!!」という台詞は、「ジャンプ王に、おれはなる!!!」という宣言に聞こえたのだ。

 あれから23年が立ち『ONE PIECE』は単行本が96巻まで出版され、全世界での累計発行部数が4億7000万部を超えるヒット漫画となった。今やジャンプ王を超えたまんが王である。

 しかし、これだけの超メジャー作品でありながら、本作には独自の読みにくさがあり、漫画好きの間でも『ONE PIECE』が読めないという人や、途中で挫折したという人が少なくない。正直に告白すると筆者も『ONE PIECE』は脱落組だった。しかし、現在、ジャンプ+で5月31日まで無料配信されている『ONE PIECE』の1~61巻を読み、改めて凄まじい漫画だと実感した。

 同時に自分がどこで挫折したのかもよくわかった。だから今回は、挫折した原因を踏まえつつ、途中脱落した人や未読の人のために『ONE PIECE』の読みどころを紹介したい。

 まず、簡単にあらすじを紹介する。

 舞台は海賊王ゴールド・ロジャーが残したワンピース(ひとつなぎの大秘宝)をめぐり、海賊たちがしのぎを削る大海賊時代。「ゴムゴムの実」という悪魔の実を食べて全身が伸び縮みするゴム人間となったルフィは、海賊王になるためにイーストブルーから旅に出る。悪党を倒しながら旅を続けるルフィは、三刀流の剣士・ゾロ、手先が器用でハッタリと狙撃が得意なウソップ、コックで蹴り技を得意とするサンジ、航海士で海賊専門の泥棒・ナミらを仲間にしていく。

 物語は、ルフィが仲間を見つけ、グランドライン(偉大なる航路)に入るまでを描いた「イーストブルー編」が1~12巻。その後は、様々な世界を旅する冒険譚となっており「アラバスタ編」が12~23巻。「空島編」が24~32巻。「ウォーターセブン編」が32~46巻。「スリラーバーク編」が46~50巻。仲間と離れ離れになったルフィが兄貴分のエースを救出するために大監獄・インペルダウンへと向かう「インペルダウン編」が50~56巻。そして、エースを巡って白ひげ海賊団と海軍本部三大将&王下七武海が衝突し、そこにルフィ率いる脱獄した海賊軍団が合流して大混戦となる「マリンフォード頂上戦争編」が56~61巻で展開される。

 中心にあるのは少年の冒険譚だが、世界政府と海賊の戦いを軸に、国家権力と自由、差別と憎しみ、戦争と平和といったテーマに踏み込んでおり、世界観とテーマの奥行きに何より驚かされた。だが、読んでいて、脱落しそうになる瞬間が何度もあった。

 良くも悪くも尾田栄一郎は全部を描いてしまう漫画家だ。絵はシンプルだが、全コマにキャラクターと背景を描き込んでいて余白がないため、読み進めるのが大変だ。この傾向は巻数が進むほど強まっていく。絵も台詞もストーリーもテーマもギャグも全力なので、読む側に体力がないと振り落とされてしまうのだ。

『ONE PIECE』46巻

 喋るガイコツの音楽家・ブルックが登場するスリラーバーク編などは、クレイアニメ『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を彷彿とさせるダークファンタジーで、絵こそ魅力的だったが、ストーリーは間延びしており「絵本なら楽しめたのに」と、読んでいて苦しかった。

 キャラクターが多すぎることも問題だ。序盤はルフィが仲間を一人一人見つけていく展開だったため、読みやすかった。しかし、仲間の数が増えていくと、各キャラクターに見せ場を用意するため、話がどんどん停滞していく。空島編の前後が特に辛く、この辺りで脱落した人が一番多かったのではないかと思う。

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