『鬼滅の刃』冨岡義勇は炭治郎らを守り通せるか? 葛藤を抱えた柱の役割

『鬼滅の刃』冨岡義勇の葛藤

 しかし、柱稽古編では意外な一面を見せる。隊士になるための最終選別では鬼を1体も倒せず、義勇とは同門で同期、炭治郎に稽古をつけた錆兎が鬼をほとんど1人で倒し、錆兎以外の全員が受かったという過去が明かされるのだ。それゆえに、「俺は水柱になっていい人間じゃない    そもそも柱たちと対等に肩を並べていい人間ですらない」「本来なら鬼殺隊に俺の居場所はない」と炭治郎に告げ、稽古を断った。そういった負い目から自分に自信を持てなかったのだ。

 義勇は無限城での猗窩座戦では炭治郎と共闘し、代わる代わる技を出し合う。炭治郎の闘いぶりに鼓舞されて痣者となった。義勇もまた、炭治郎との出会いによって自らの殻を破ることができた一人と言えるだろう。以降、義勇は無惨戦でも柱の一人として、大きな役割を果たしていく。

 義勇は第1話から竈門兄妹の恩人であり続けたがゆえに、衝撃的な展開を迎えた今後、炭治郎ら竈門兄妹との関係性がどうなるのかも気になるところだ。

■書籍情報
『鬼滅の刃(5)』
吾峠呼世晴 著
価格:本体440円+税
出版社:集英社
公式サイト

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「書評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる