『鬼滅の刃』冨岡義勇は炭治郎らを守り通せるか? 葛藤を抱えた柱の役割

『鬼滅の刃』冨岡義勇の葛藤

 炭治郎ら鬼殺隊と無惨の戦いが衝撃的な展開を迎え、いよいよ目が離せなくなっている『鬼滅の刃』。本稿では、序盤から竈門兄妹をサポートし続けてきた冨岡義勇について紹介したい。

 義勇は水の呼吸を使う水柱。義勇といえば、彼が独自に会得した技である拾壱ノ型・凪が印象深い。自身の間合いに入った術を無風状態の海のように全て無効化する。肆ノ型・打ち潮では荒れる大海のような動きで相手を斬りつけ、参ノ型・流流舞いでは水が流れるように滑らかに刀を振るう。

 性格は寡黙でクール。他の柱たちから一線を引くこともしばしばだ。しかし、その根底には、義勇なりの葛藤があった。

『鬼滅の刃(1)』

 義勇は第1話で登場する。炭治郎が禰豆子の歯をおさえているところを斬りかかった。しかし、炭治郎から「妹を人間に戻したい」という強い意志を感じとり、また妹が兄をかばおうとする姿から、禰豆子はそれまで見てきた鬼とはちがうと直感し、自分の「育手」である鱗滝左近次を紹介。彼に炭治郎を育ててほしい旨を伝えた。

 那田蜘蛛山編では炭治郎が下弦ノ伍・累に苦戦していたなか加勢し、凪で累による血気術をはねのけ、その後の斬撃ではたやすく首をはねた。

 それから間もなくの柱合会議では、他の柱は竈門兄妹の件を容認しなかったが、禰豆子が人を襲った場合は自らの命で責任を負うと誓っていた。

 義勇は竈門兄妹を導き、窮地ではたびたび擁護してきた、いわばメンター的な人物の一人だ。序盤まで炭治郎にとっては人間としても隊士としても、雲の上の存在であった。

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