奥浩哉×花月仁『GANTZ:E』第1話は衝撃、それとも笑撃かーー『必殺仕事人』の影響を読む

『GANTZ:E』第1話は衝撃、それとも笑撃か

半兵衛、政吉、お春の名前の由来

 『GANTZ:E』第1話には、すでに『必殺』シリーズからの引用と思われる要素が出てきている。まず主人公の名前、半兵衛と政吉だが、これは1975年放送の『必殺必中仕事屋裏稼業』の主人公とその相棒役の名前と一致する。そして、半兵衛が想いを寄せる女性、お春は、『仕事屋裏稼業』の半兵衛の内縁の妻と同じ名前だ。もっとも、これらの名前は時代劇では珍しくないので、偶然の一致と言われてしまえばそれまでかもしれないが。

 もう一つ、筆者が思い出したのは1984年に公開された映画『必殺! THE HISSATSU』である。70年代、初期の『必殺』シリーズは、裏稼業のアンチヒーローが活躍するハードボイルドな作風だったが、80年代にはバラエティ路線に舵を切り、荒唐無稽なアイデアも散見されるようになる。『必殺! THE HISSATSU』はそんな時期に製作されたのだが、この映画のラストには、なんと時代劇にもかかわらず、追い詰められた主人公たちが潜水艇に乗って脱出するというとんでもないネタが炸裂する。今回の『GANTZ:E』第1話の衝撃(笑撃)は、それに近いものがある。

 『GANTZ:E』では半兵衛と政吉が川に流される少女を助けようとして溺れてしまい、気がつくと黒い玉のある部屋にいたという、『GANTZ』シリーズお馴染みの物語の幕開けで始まったが、今後どんな展開を見せるのか楽しみだ。あの黒い玉を開発したのは本編同様マイエルバッハ社なのか等、現段階では疑問が尽きないが、『必殺』シリーズ同様、大胆な発想の作品になることを期待している。

■杉本穂高
神奈川県厚木市のミニシアター「アミューあつぎ映画.comシネマ」の元支配人。ブログ:「Film Goes With Net」書いてます。他ハフィントン・ポストなどでも映画評を執筆中。

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