ホストが“人生最大の失恋”綴る異例のZINE『失恋ホスト』 九龍ジョーとホストたちが語る、制作の狙い

ホストが“人生最大の失恋”綴る異例のZINE『失恋ホスト』 九龍ジョーとホストたちが語る、制作の狙い

「人と人が出会いやすくなって、ホストクラブのハードルは上がった」(YU-MA)

――九龍さんから見て、この3人に対する印象はどう変わりましたか?

九龍:わりと以前からそれぞれに思っていた「この人らしいな」っていうのはいい意味で裏切られなくて、ただ、エピソードの構成とか、みなさんすごくうまいんですよ。そこは接客の現場で磨かれたものというか、やはりエンターテイナーなんだなと思いましたね。ちゃんと俯瞰した目線があって、読者を意識しているというか。個別に話すと、レオ会長の話なんて、けっこうヘビーなんですよ。

レオ:すいません(笑)。

九龍:でもそれをいま出すっていうときに、おそらく渦中では混乱していたであろう自分の感情が客観的に捉えられていて、読む人の心を掴むものになっている。ヒカルさんはすごく長い期間のことを書いていて、こちらも色々な出来事や感情の描写があるんですけど、トータルで見たときに、すべてが一本につながっている。人間、弱っている場面であればあるほど、その人の本性とか生き方みたいなの出るじゃないですか。彼の場合は自分の仕事哲学や覚悟がブレずに行動へ直結していて、その一貫性の強さが見えました。

――人間として絶対に譲れない核の部分、芯の部分が何かというのがわかると。

九龍:ヒカルさんは核に「プロ意識」があって、ホストという生き方や仕事を全うすることに意味を見出しているのが改めてよくわかりましたね。レオ会長はホストである前に一人の人間としての葛藤をさらけ出していて、そこは彼の魅力にもつながっている。YU-MAさんは……小さな愛を大量に振りまくみたいな(笑)。

ヒカル:純粋なホストって感じですね(笑)。

――ヒカルさんは「ホスト業界を背負っているつもり」と話してくれましたが、その原動力はどこから来ているものなんですか。

ヒカル:僕がホストを始めた10年前は、業界や歌舞伎町全体が閉鎖的で、だからこそムラ文化が支配していて、歌舞伎町の中でしか通用しないことが多かったんです。でも、それって20代のうちだけで、30代になったときに、華やかだった時代さえも後悔して生きて行くホストや女性が多いというのを感じるようになったんです。そんななか、group BJで仕事をするうちに、僕らの仕事はやり方一つでエンタメ性が高くもなりますし、人に対してのスペシャリストになれるし、経営学や哲学といった人としての生き方にこだわることによって、ホストという職業の先にある未来も見えるような気がして。

一条ヒカル

ーーホストの未来ですか。

ヒカル:これは僕が現在進行形で挑戦していることなんですが、ホストになることやgroup BJに入ることが、良い大学に入るのと同じ感覚になってほしいというか。起業したい子やエンターテイメント職に就きたい子、自分の売り出し方を学びたい子が勉強も兼ねて入ってくることで、その人も業界も変わる気がしていますし、グループとしては「あそこに行ったら社会で勝てるようになる」と思ってもらえれば、憧れる職業の一つになるのかなと。

――人として、ひとつ上のステージに行きたい人が経験する場所になると。YU-MAさんは、ヒカル社長のこの教えをどのようにして若い世代として体現していくのでしょう。

YU-MA:2000年代と今を比較したときに、マッチング系のアプリやSNSが発達していることも大きいと思っていて。人と人が明らかに出会いやすくなった分、ホストクラブに行くハードルは上がったと考えています。ということは、ホストのイメージが変わらないと、その入り口に立ってもらうことはできないので、そのきっかけをどう作っていくのか、と思うことは多いです。

YU-MA

ーー「ホストクラブにいく理由」をどう作るか、ですね。

YU-MA:それって、結局は人だと思うんですけど、来てもらったお客様に「やっぱり一般人よりすごい」「BJに行って、ホストのイメージが変わった」と口コミ的に広めてもらって、業界全体としてもBJ発信でホスト業界が変わった、と内外から思ってもらえることが重要で、それができるのはgroup BJだと思うんです。個人の売上は、ヒカル社長が言ったように一過性で終わってしまうものなので、色々な人の感情を受け止める器や、時代の流れに沿って、時には我慢して変えなきゃいけない部分を理解して、全ての経験を味わった人間が上に立つような組織になっていれば、最強であり続けられると考えています。

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