ONE OK ROCK、なにわ男子、IS:SUE、yama、礼賛、コレサワ……注目新譜6作をレビュー
毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はONE OK ROCK「Tropical Therapy」、なにわ男子「Doki it」、IS:SUE「Love MySelf」、yama「雫(prod. indigo la End)」、礼賛「鏡に恋して」、コレサワ「あたしを選ばなかった君へ」の6作品をピックアップした。(編集部)
ONE OK ROCK「Tropical Therapy」
「現代社会に向けて放つ強いメッセージを詰め込んだ、世界で勝負するロックアルバム」という惹句が踊る約2年半ぶりのニューアルバム『DETOX』。本作を象徴する楽曲の一つが「Tropical Therapy」だ。鋭利な輝きを放つギターのアルペジオと〈Another day here in the system〉というラインから始まるこの曲は、彼らが得意とするドラマティックな旋律、さらにビルドアップされたサウンドメイクを軸にしたミディアムチューン。歌詞の中心は、システムに閉じ込められた世界、固定観念にハマってしまう自分自身から解放され、真の自由を手にしようというメッセージだろうか。AIとアルゴリズムに捉われた現代人に訴えかけると同時に、“ロック=自由”というクリシェをあえて踏襲しているという意味で、時代性と普遍性を併せ持った楽曲だと思う。(森)
なにわ男子「Doki it」
なにわ男子が出演するAOKI「フレッシャーズフェア」CMソング。作詞作曲の両方に関わる坂室賢一は、過去シングル「The Answer」「Make Up Day」なども手掛けてきた音楽プロデューサーで、いわばグループのチャームポイントを知り尽くしている人物。軽快に走るロックンロールナンバーは、Bメロのラップパートが少々ハードになるが、総じて言えば荒々しさより楽しさの勝る、実になにわ男子らしいエールソングに仕上がっている。サビはそのまま書き写すと〈Like it×4〉なのだけど、これが「ラ〜キラキラキラキ」という音になって暴れ出す中毒性はちょっとすごい。さらには〈ホンマ Lucky×4〉とさりげなく大阪弁が入ってくるのも好感度大。(石井)
IS:SUE「Love MySelf」
去年6月にデビューしたガールズグループの3rdシングルとなる。これまでは英語と日本語をリズミカルに行き来するラップ/ヒップホップ路線が多かったが、多忙を極めるなかで立ち止まり、ちゃんと自分自身を労わろう、というテーマが必然的に生まれたのだろう。メンバー RINOも作詞で参加した楽曲は、揺れる心をまっすぐ日本語で描いた爽やかなポップス。繰り返されるタイトルのコーラスはかつてない一体感をもたらす。メッセージの熱量と楽曲の清涼感のバランスもいい。(石井)