ONE OK ROCK、サカナクション、SUPER BEAVER……ロックシーンを牽引する結成20周年バンドの歩み

 2025年、日本のロックシーンを牽引する多くのバンドたちがアニバーサリーイヤーを迎える。本稿では、そのなかから結成20周年となる3バンドを取り上げ、20年の歩みを振り返ってみたい。

ONE OK ROCK

 ONE OK ROCK は、2005年にToru(Gt)を中心に結成。2007年に1stシングル『内秘心書』でメジャーデビューを果たし、メンバー変更を経て2009年に現体制となった。2024年は、世界7都市を巡る『ONE OK ROCK 2024 PREMONITION WORLD TOUR』を開催。日本と台湾はスタジアム会場、ドイツ、フランス、イギリス、カナダ、アメリカはアリーナ会場で行われ、バンドとしては過去最大規模のワールドツアーとなった。

 今や日本を代表するロックバンドとしてグローバルに活動する彼らが、初めて海外公演を行ったのは13年前のこと。2012年に行われた『ONE OK ROCK 2012 "Start Walking The World Tour"』が、台湾、韓国、シンガポールの3都市を含むツアーだった。日本ではすでにアリーナ会場でのライブも成功させていた彼らだが、その一方で、初の海外公演の会場キャパシティはライブハウスクラスだった。

 海外で小さな、しかし確かな一歩を踏みしめた彼らは、そこから着実に実績を積んでいった。2013年には欧州公演を含むワールドツアー『ONE OK ROCK 2013 "Who are you??Who are we??" TOUR』を開催し、その後も海外でのライブ経験を重ねていく。2015年には、アメリカでレコーディングを行った7thアルバム『35xxxv』をリリース。2021年には、より海外での活動に重心を置くために今までの所属事務所から独立し、株式会社10969を設立した。こうして10年以上、愚直に世界への挑戦を重ねた彼らの現在の活躍は、先に記した通りである。

ONE OK ROCK - Make It Out Alive [2024 PREMONITION WORLD TOUR in KAOHSIUNG]

 今年2月21日には、約2年半ぶりのアルバム『DETOX』がリリースされる。同リリースに伴い、5月からは北米ツアー『ONE OK ROCK DETOX North American Tour 2025』を開催するONE OK ROCK。結成20周年を迎えてもなお、彼らの勢いは加速するばかりだ。

サカナクション

 サカナクションは前身バンドを経て、2005年に現在のバンド名で活動をスタートさせた。メンバーの地元である北海道を中心に活動を重ねた後、2007年にアルバム『GO TO THE FUTURE』でメジャーデビュー。2013年には、『第64回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に初出場を果たした。

 楽曲やMV、そしてライブでも常に斬新なアイデアで、多くの人を惹きつけてきたサカナクション。2020年に世界が新型コロナウイルスのパンデミックに襲われ、アーティストたちが活動の場を失っていくなかでも、サカナクションは積極的にオンラインライブを行うなど、歩みを止めなかった。しかし、出口の見えないなかでの活動は相当な負荷がかかるものだったはずだ。2022年7月、山口一郎(Vo/Gt)が体調不良による休養を発表。バンドはライブ活動を休止することとなった。

 同年11月16日、自身のInstagramライブを通して少しずつ復帰することを告げた山口は、翌年、リハビリを兼ねたソロツアー『懐かしい月は新しい月 “蜃気楼”』を開催。2024年1月14日に行われた最終公演にはメンバー4人も駆けつけ、5人で「新宝島」を演奏した。そして、4月より開催された約2年ぶりのツアー『SAKANAQUARIUM 2024 “turn”』にて、バンドは完全復活を遂げたのだ。

サカナクション LIVE Blu-ray/DVD「SAKANAQUARIUM 2024”turn“」-Digest Movie-

 ツアー後にはTVアニメ『チ。 ―地球の運動について―』(NHK総合)のオープニング主題歌として新曲「怪獣」を発表し、年明けからは曲名をライブタイトルに冠した全国ツアー『SAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”』を開催中のサカナクション。苦しみを乗り越えた先に迎えた、バンド結成20周年。今後も彼らからどんなクリエイティブが届けられるのか楽しみだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる