ONE OK ROCK、なにわ男子、IS:SUE、yama、礼賛、コレサワ……注目新譜6作をレビュー

yama「雫(prod. indigo la End)」

yama「雫(prod. indigo la End)」

 yamaの4thアルバム『; semicolon』から先行配信された「雫」は、作詞作曲をyama、編曲をindigo la Endが担当したミディアムバラード。川谷絵音がyamaに提供した「スモーキーヒロイン」をはじめ、以前から交流のある両者は、今回の新曲でも抜群の化学反応を起こしている。〈鉛のような頭を重力に任せて/しおれた花のように座っていた〉という冒頭のラインで曲想を明確に示し、ややレイドバックしたボーカリゼーションと美しくも切ないメロディで、リスナーを強く引きずり込むソングライティング。そして、哀愁と先鋭性を併せ持ったアレンジによって、楽曲の世界を増幅させるバンドサウンド。「雫」はyamaにとって、これまでのイメージを変える可能性を持った楽曲になるはずだ。(森)

礼賛「鏡に恋して」

礼賛「鏡に恋して」

 CLR名義で作詞作曲/ボーカルを担当するサーヤ(ラランド)をはじめ、晩餐(川谷絵音/Gt)、簸(木下哲/Gt)、春日山(休日課長/Ba)、foot vinegar(GOTO/Dr)による5人組バンド・礼賛のニューアルバム『SOME BUDDY』の収録曲「鏡に恋して」は、キレのいいギターのカッティング、心地よいファンクネスをたたえたリズムセクション、ハスキーな声がグルーヴしまくるボーカルが一つになったポップチューン。ただキレイなだけでは終わらないケレンミを感じさせる演奏、〈無礼なクレームも効かない/わざわざ凹まない/私が見たい〉のパンチラインで自己愛を鮮やかに肯定してみせるリリックなど、このバンドのチャームポイントが凝縮されている。CLR、本当に素晴らしいソングライターだ。(森)

コレサワ「あたしを選ばなかった君へ」

コレサワ「あたしを選ばなかった君へ」

 3月19日発売の4thアルバム『あたしを選んだ君と あたしを選ばなかった君へ』からの先行配信。元カレに〈申し訳ないけどしばらく幸せになんないで〉と宣告するところから始まるポップスで、ギターリフが走り出す中盤以降はロックンロール調に。いわゆる失恋ソングなのだが、明るいサウンドとメロディ、しょんぼり健気キャラ、開き直りわがままキャラ、ぶりっこキャラなどを確信犯的に使い分ける唱法が、いい意味でフィクションとしての面白さと軽やかさを演出。聴き終えて、「コレサワがマジで元カレを恨んでる」と思う人はまずいまい。さめざめ泣いたりせず、なんとか次の恋を探そうとする主人公を、なんだか誰もが好きになってしまう。そんな一曲。(石井)

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