連載「lit!」第138回:Ado、あいみょん、sumika、MWAM、女王蜂……新境地を示す注目作5曲
sumika「Vermillion」
片岡健太(Vo/Gt)のコメントによれば、自身は春が苦手だったとのこと。そのためか、思い返すと昨年4月リリースの「運命」をはじめとして、sumikaが春にリリースする楽曲は自然と気持ちが上向きになる明るくポップなものが多い。3月5日リリースのアルバム『Vermillion’s』からの先行配信である本曲も例外ではなく、ボーカル、ピアノ、ドラムのアンサンブルで始まると、少しずつ仲間が増えていくように、ストリングスやコーラスを加えながら華やかに展開していく。そして、前作『For.』のリリースから約2年半。そのあいだにいろいろなことを乗り越えてきた彼らが、〈大切は消えないよ運命だろうと/悲劇だろうと喜劇だろうと/飲み込むから来い〉と歌う頼もしさ。「Vermillion」は一般的に“朱色”を意味するが、『Vermillion’s』は果たしてどんなに色彩豊かなアルバムになっているのか、楽しみだ。
女王蜂「紫」
女王蜂は、昨年6月から休養していたアヴちゃんが年明けに活動を再開。3月5日には、前作『十二次元』から約2年ぶりとなるアルバム『悪』をリリースする。先行配信された「紫」は、〈あなたたちに出会えてほんとうによかった〉というストレートな歌詞が印象的。バラードという曲調も相まって、支えてくれる人たちへの感謝や、生きることの誇らしさ、喜びを聴き手にしっかりと届けてくれている。ちなみにアルバム名は『悪』だが、曲中に登場する竜胆(リンドウ)の花言葉は「正義」。意図したものか定かではないが、正反対の意味を持つこと、さらにアルバム冒頭に収録されるという点からも、この曲がアルバムのなかで重要な一曲なのだと思う。
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