米倉千尋、森口博子、伊藤かな恵、ハロプロ、KADOKAWAアニメ……アニソンサブスク解禁で蘇る懐かしの名曲
サブスクリプションサービスで音楽を聴くことが日常となった昨今において、過去楽曲のサブスク解禁は新曲リリースとほぼ同義であると言っていいだろう。80年代のシティポップブームやY2Kリバイバルなど、過去に発売された楽曲の注目度が増す中、アニソンや声優ソングにおいても新たな楽曲/作品と出会うためのディグは欠かせない。今回は、2024年から現在までに解禁されたアニメ/声優ソングやアニソンアーティストの過去楽曲を複数ピックアップ。有名曲から隠れた名曲まで、様々な視点で楽曲を紹介していこう。
最初に紹介するのは、1月24日にサブスク解禁となったシンガーの米倉千尋。すでに解禁済のベストアルバム『25 YEARS AFTER ~All Time Best~』に加えて、今回はこれまで未解禁だったキングレコードからリリースされた全アルバム、計242曲が解禁された。「嵐の中で輝いて」(OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』OPテーマ)、「WILL」(『仙界伝 封神演義』OPテーマ)、「Butterfly Kiss」(『RAVE』OPテーマ)など、彼女の代表曲はいくつもあり、背中を押してくれるようなポジティブな歌声は多くの人を励ましてきた。その中でも、2003年から2004年にかけて放送されたアニメ『カレイドスター』のOPテーマ「約束の場所へ」は、夢に向かってひたむきに頑張る主人公に寄り添い鼓舞するような歌詞が印象的な名曲。4クール放送のアニメで1クールしか流れなかったにもかかわらず、『カレイドスター』といえばこの曲、と作品ファンが口を揃えるほど人気のある楽曲だ。
また、彼女はアニソン以外の曲も名曲揃い。自身のラジオのOPでも長年使われた、10代の瑞々しい青春感が眩しい「犬と赤いフリスビー」、みなとみらいの花火の景色が目に浮かぶ純愛ソング「夏の終わりの花火」、胸がギュッと切なくなるような失恋ソング「「あいのうた」」など、特に共感性の高い等身大の恋愛ソングは彼女の得意分野。今回の解禁をきっかけにぜひとも彼女の歌声に触れてみてほしい。
ベテラン歌手としては、バラドルとしても有名な森口博子のキングレコード時代の楽曲も2024年にサブスク解禁された。彼女の代表曲と言えば、やはり『ガンダム』ソング。『機動戦士Ζガンダム』OPテーマ「水の星へ愛をこめて」、映画『機動戦士ガンダムF91』主題歌「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」の名曲っぷりはここで改めて語るまでもないだろう。
ほかに外せないのは、1988〜1989年放送の『鎧伝サムライトルーパー』第二部OPテーマ「サムライハート」。彼女の凛々しい歌声と情熱的なギターの音色が印象的な1曲である。ちなみにこの曲は、2022年にセルフカバーした「サムライハート ~2022~」も存在する。30年以上の月日が経過し、歌声の説得力が増した新たな「サムライハート」。歌声だけでなくアレンジも変わっているため、原曲と比較をしても面白いかもしれない。
1月3日に解禁されたハロー!プロジェクト楽曲には、2000年代を代表する女児向けアニメ『きらりん☆レボリューション』『しゅごキャラ!』の主題歌も含まれている。『きらりん☆レボリューション』では、月島きらりを演じる久住小春が“月島きらり starring 久住小春(モーニング娘。)”として楽曲を歌唱しており、「恋☆カナ」「バラライカ」といった名曲も数多い。個人的に推したいのは第3弾EDテーマ「水色メロディ」。躍動感のあるサウンドと久住の歌声のマッチ具合が絶妙で、約20年経過した今改めて歌詞を読み返してみるとなんだか泣けてくるのは筆者だけだろうか?
数々の“泣きゲー”で知られるゲームブランド・Keyの音楽レーベル・Key Sounds Labelから発表されている楽曲が2024年9月から作品ごとに毎月サブスク解禁中で、2010年に放送された『Angel Beats!』の楽曲も解禁となった。『Angel Beats!』といえば、シンガーのmarinaとLiSAがボーカルを務めたGirls Dead Monsterの楽曲を思い浮かべる人が多いことだろう。ロングトーンが印象的なロックナンバー「Crow Song」、アニメ第10話の感動が蘇る「一番の宝物」はもちろん、アニメで披露されていない楽曲も粒揃いしている。
この1月には2015年に放送された『Charlotte』の楽曲も解禁。Liaの歌う神秘的なOPテーマ「Bravely you」や、西森柚咲(CV:内田真礼)がボーカルを務めるロックバンド・How-Low-Helloの楽曲など、こちらでも麻枝准の濃厚な音楽が堪能できる。Key作品の“泣き”にとって、音楽は欠かせない要素の一つ。音楽から作品の雰囲気を感じてみるのも悪くない。