「BiSを思い出して、研究員を思い出して、前向きに生きていける」 最後の日に第3期BiSが残した笑顔と涙

客席の全エリアで掲げられたスマートフォンのライト、起こり続けた歓声に応えて行われたアンコール。ステージに戻ってきた5人が想いを語った。
「普通に生きていたらできない経験だったり、感情だったり、たくさんのものをいただきました。BiSと出会って、BiSを好きになって本当によかったです。たくさんの研究員に応援してもらえてすごく幸せでした。少しでも研究員のみんながハッピーになれたなら、私は『BiSにいてよかった』と思います。研究員にはこれからも笑顔で毎日過ごしてほしいです。約2年間、応援してくれて本当にありがとうございました」(クレナイ・ワールズエンド)

「研究員はいつもそばにいてくれて、受け入れてくれて、たくさん名前を呼んでくれて……イコ・ムゲンノカナタに育ててくれて、本当にありがとうございました。メンバーと研究員と作るこの空間が大好きです。この約2年間、BiSとして生きられて本当に幸せだったと思います。今日が研究員と作る最後の思い出になります。どうかこれからも……寂しい想いをさせてしまうけど、ずっと笑顔で、幸せでいてほしいです」(イコ・ムゲンノカナタ)

「約2年ちょっとという長くはない期間だったんですけど、楽しいことも、幸せなことも、悲しいことも、苦しいことも数えきれないほど経験しました。研究員がいたから今の私たちがここにいます。どれだけ離れていても同じ音楽を愛して、同じBiSという存在を愛して、今日まで一緒に生きてこられて本当に幸せでした。笑った顔も泣いた顔もたくさん見せてくれてありがとう。私たちと出会ってくれて本当にありがとう」(ヒューガー)

「普通に生きていたら経験できない、BiSと出会って、研究員と出会わなかったら知らなかった感情をたくさん知りました。この先、生きていくなかで心が折れそうになったとしても、BiSを思い出して、研究員を思い出して、前向きに生きていけるかなと思っています。みんなから貰ったものを全部大切にして、絶対に忘れないでこれからも生きていきます。BiSを応援していたこと、研究員だったということが幸せな記憶になっていたら嬉しいし、こうやって出会えたみんなには、いつまでも笑顔で健康でいてほしいなって思っています。今まで本当にありがとうございました」(ナノ3)

「いろんな選択肢があったなかで、BiSのライブに来ることを選んでくれて、今日来てくれて本当にありがとうございます。本当はBiSで叶えたかった夢がまだまだたくさんあったんですけど、5年間研究員と一緒に駆け抜けてきた毎日のことを思い出してみたら、楽しかった思い出でいっぱいでした。BiSが研究員の力だったり、何かになれていたなら、今日ここまで続けてきて本当によかったと思います」(トギー)

涙をこらえて、声を詰まらせたりもしながら届けられたメンバー各々の言葉。そんななか、明るいムードを一気に取り戻したのが、第3期の始動時からずっとBiSを支えてきたトギーだった。「みんな、今日は楽しかったですかあ?」と、彼女があの独特なトーンの声で呼びかけた瞬間、一気に和んだ空気。「これからもね、BiSも研究員も人生は長く続いていくので、好きなことをして楽しく幸せに生きていってほしいです。私たちも絶対に幸せに生きるので、みんなで楽しく生きようねー! 今日まで本当にありがとうございました!」――天真爛漫な言葉が真冬の野音を優しくあたためていた。


「BiSにとって大切な曲を歌います。聴いてください」というトギーの言葉が添えられた「TOUCH ME」。「Sakura」や「CURTAiN CALL」も、耳を傾けているとさまざまな思い出がよみがえる。そういえば……当事者だったのはこの5人のなかでトギーだけだが、101回連続でパフォーマンスをして5時間10分におよぶMVを作った「CURTAiN CALL」は、なかなかむちゃくちゃだった。クレイジーなことを頻繁にやって研究員をワクワクさせたり、驚かせたり、時には怒らせたりもするスピリットをずっと継承してきたのが第1期から第3期までのBiSだ。どうかしている出来事もたくさん起こったBiSの歴史にピリオドが打たれようとしているのはやはり寂しかったが、全力で歌って踊り続けるステージ上の5人がまぶしかった。

そして、ラストを飾ったのは「STUPiD」。間奏に差し掛かるとお馴染みの組体操を繰り広げて笑顔を輝かせたトギー、ナノ3、ヒューガー、イコ・ムゲンノカナタ、クレナイ・ワールズエンド。アグレッシブなサウンドをキャッチーに炸裂させられる彼女たちの姿は、グループ名に込められた「Brand-new idol Society」=“新生アイドル研究会”という意味を鮮やかに体現していた。

「以上、BiSでした! ありがとうございました!」という声を響かせて、深々とお辞儀。客席の各エリアに向かって何度も手を振った5人。トギー、ナノ3、ヒューガー、イコ・ムゲンノカナタ、クレナイ・ワールズエンド……順番にステージをあとにした彼女たちを激しい拍手と歓声が見送った。そして迎えた終演。あのライブを振り返ってみると、「寂しい」という言葉がどうしても浮かんできてしまう。しかし、かっこよかった姿がたくさん思い出されて嬉しい気持ちにもなる。BiSのかけがえのない魅力は、今後もさまざまな形で語り継がれていくはずだ。


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