BE:FIRST、JO1、SEVENTEEN、すとぷり……『紅白』顔ぶれ一新した男性グループ出場組の実力

SEVENTEEN

SEVENTEEN(세븐틴)‘손오공 ’ Official MV

 韓国からはK-POPを代表するグループが初登場する。2015年デビューのSEVENTEENは、韓国、中国、アメリカ出身の多国籍メンバーが所属する13人組アイドルグループだ。

 ボーカル・ヒップホップ・パフォーマンスの3チームから構成され、楽曲や振付の制作をメンバー自ら手掛ける「自主制作ドル」とも呼ばれる彼らは、高い歌唱力や統一感あるダンスだけでなく、クリエイティブやプロデュースの面でも能力を発揮。2018年にミニアルバム『WE MAKE YOU』で日本デビューを果たすと、2022年には『2022 SEVENTEEN WORLD TOUR [BE THE SUN]』で東京・大阪・名古屋の3大ドームをまわり、約27万人を動員(※4)するなど、日本でも根強い人気を誇っている。

 ボーカルチームのリーダーであり、ほぼ全ての楽曲制作を担う“天才プロデューサー”WOOZIは以前、「チャートで良い成績を取らなければというプレッシャーで大変だったこともあるが、今はただメンバーを信じて、メンバーが喜んでくれる音楽だけを作っている。それが常にCARAT(ファンの呼称)が喜んでくれる音楽に繋がるから」と語っていた(※5)。しかし、韓国・HANTEOチャートの集計で「F*ck My Life」と「孫悟空(Super)」のダブルタイトル曲を収録した2023年4月発売の10thミニアルバム『FML』が初週455万枚を売り上げて発売後1週間で当時のK-POP史上最多の売上枚数を更新したり、最新ミニアルバム『SEVENTEENTH HEAVEN』が米ビルボード「Billboard 200」で2位を記録したりと、リリースのたびに好成績を残しているのを目の当たりにすると、彼ら自身が「CARATに誇って欲しい」という一心で生み出した作品が結果として歴代1位を引き寄せたことは自明であり、その卓越した音楽性と真の実力に驚くばかりだ。大晦日には“シンクロ率95%”と言われるパフォーマンスをどのような形で見ることができるのか、期待が高まる。

Stray Kids

Stray Kids "특(S-Class)" M/V

 韓国のJYPエンターテインメントから2018年にデビューした8人組グループ・Stray Kidsも今回が初出場となる。彼らも例に漏れず、デビュー前から現在までBang Chan、Changbin、HANからなる「3RACHA(スリラチャ)」を中心としたメンバー自らがほぼ全ての楽曲を手掛けており、作詞・作曲・編曲からボーカルディレクションに至るまで、一連の制作過程を自ら手掛けるセルフプロデュースグループとして知られている。

 2022年に韓国でリリースしたミニアルバム『ODDINARY』は、米ビルボードのアルバムチャート「Billboard 200」で1位を獲得。2023年には「Billboard Global 200」で5週にわたり1位を獲得する快挙を遂げた「S-Claas」収録の『★★★★★ (5-STAR)』で初動売り上げ461万枚を達成し、K-POP史上最大初動記録を樹立した。彼らはこれまでもリリースごとに歴史的な記録を打ち立ててきたが、その勢いは日本にも広がっており、2022年発売の日本2ndミニアルバム『CIRCUS』ではBillborad JAPANのアルバムセールスチャート「Top Albums Sales」で首位を獲得。同年発売のミニアルバム『MAXIDENT』のタイトル曲「CASE 143」は、Billboard JAPANチャートにおけるストリーミング累計1億回再生を突破し、日本国内で自身初にしてBTSに次ぐK-POPボーイズグループ2組目の記録を残している。

 日本1st EP『Social Path (feat. LiSA) / Super Bowl -Japanese ver.-』はK-POPボーイズグループ史上、日本デビュー後最速でのミリオン認定(※7)となったことも記憶に新しいが、2023年には初の日本4大ドームツアーを行い、全8公演で計34万人を動員していることからも、国を超えた更なる活躍が期待されるグループであると言えるだろう。

すとぷり

【MV】大好きになればいいんじゃない?/すとぷり【HoneyWorks】

 前述したアーティストとは全く異なった特色を持つグループも、今回が初出場だ。2016年に結成されたすとぷりは、YouTubeでの動画投稿やWeb上での生配信、楽曲配信、ステージライブなど、多岐にわたって活動しているエンタメユニットだ。

 生ライブや握手会などのイベント以外ではその姿がキャラクターで表され、登録者数233万人(11月19日現在)を保持する自身のYouTubeチャンネルではメンバーのゲーム実況動画や歌唱動画、本人の姿で顔を隠して出演する実写企画などを楽しむことができる。ネット上とリアルの両方で枠に囚われず時間を共有できるのも、彼らとリスナーの緻密なコミュニケーションの秘訣だ。

 音楽活動でも評価を得ており、2020年には『第34回 日本ゴールドディスク大賞』で『ベスト5・ニューアーティスト【邦楽】』を受賞。同年リリースの3rdフルアルバム『Strawberry Prince』は約30万枚を売り上げ、「オリコンウィークリーアルバムランキング」で1位を記録している。さらに、2022年12月28日公開(集計期間:2022年12月19日~12月25日)のBillboard JAPAN週間アルバム・セールス・チャート“Top Albums Sales”では、4thフルアルバム『Here We Go!!』が当週約17万枚を売り上げて首位を獲得した。2023年7月にはYouTubeの動画合計再生回数が76億回を突破、MVは3,000万回再生を超えるものもあり、YouTubeやSNSを通じた配信を強みとしていることも特徴である。

 彼らは2021年にNHK『うたコン』に出演した際にもAR技術をフルに用いたキャラクターの姿でステージに登場し、パフォーマンスを見せている。昨年の『紅白歌合戦』ではアニメ映画『ONE PIECE FILM RED』の登場キャラクター・ウタがリアルとバーチャルを融合させたコラボステージを披露していたが、今回はどのような演出が行われるのかにも注目だ。

※1:https://www.nhk.or.jp/kouhaku/artist74/description.html
※2:https://natalie.mu/music/news/520766
※3:https://avexnet.jp/news/detail.php?id=1014353
※4:https://www.thefirsttimes.jp/news/0000219699/
※5:https://youtu.be/xHCjuxn2H9s(17:25~)
※6:https://www.oricon.co.jp/news/2302490/
※7:https://www.oricon.co.jp/news/2299299/full/

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