King Gnu、ユニゾンからくるり、四星球まで バンドによるTikTokへの個性的なアプローチ
現代において音楽を発信する中心地の一つとなりつつあるTikTok。主に弾き語りを得意とするソロシンガーなど若手アーティストが活躍する場に思われがちだが、意外にも幅広い世代のバンドがオフィシャルアカウントを開設しており、個性的な動画を投稿している。本稿ではTikTokカルチャーに独自のあり方で適応するバンドたちを紹介したい。
直近で大きな話題を呼んだのはKing Gnuだろう。TikTokアカウントではMV撮影のオフショットやMVでダンサーが踊る振り付け動画などをアップしている。
それらも十分に見応えはあるが、9月21日に配信された初めてのTikTokライブは特に反響を呼んでいた。
ラフな空気感で繰り広げられるトークが中心で、新曲「SPECIALZ」に合わせてダンスを行うなど仲間内のノリが満載だった。そして、何の前触れもなく突然スピッツ「チェリー」のカバーを行うという貴重な光景も。常田大希(Vo/Gt)が軽やかに掻き鳴らすギターに乗せ、ボリュームは小さいながら確かな歌声を聴かせる井口理(Vo)。そして歌を口ずさみながらリズムにゆらゆらと乗る勢喜遊(Dr)と新井和輝(Ba)という非常に和やかな瞬間が捉えられていた。その自由な振る舞いの中にプロミュージシャンとしての姿と仲間同士で戯れる姿が重なり合っており、King Gnuの風通しの良さを窺い知れる一幕だった。
UNISON SQUARE GARDENはフェスなどでのライブ動画やツアーの舞台裏に加え、今年4月の9thアルバム『Ninth Peel』リリース時には「ユニゾン弾いてみたチャレンジ」と題した動画シリーズをアップしていた。メンバー全員での演奏動画だけでなく、楽器を1つずつ抜いた動画もあり、TikTokのデュエット機能を活用すればユーザーはメンバーとセッションしているかのような動画をアップすることができる企画だ。TikTok向けのコンテンツでありながら、ユニゾン楽曲におけるギター、ドラム、ベースの複雑な構築力と個々の演奏テクニックを詳しく見ることができ、ファンにとっては堪らない映像でもある。ただ楽曲を拡散する役割だけでなく、コアなファンにとっても嬉しい内容を追求していると言える。
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