King Gnu、ユニゾンからくるり、四星球まで バンドによるTikTokへの個性的なアプローチ

 ここ最近、話題をさらっているのはくるりのTikTokだろう。今年メジャーデビュー25周年を迎えたベテランバンドでありながら、衝撃的なほどにTikTokのユーザー層にマッチした動画をアップし続けている。

@quruli_official #くるり #世界はこのまま変わらない PV② “Qテレ体操編” #Qテレ #感覚は道標 @岸田繁 SHIGERU KISHIDA ♬ we can't change the world without you here - くるり

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@quruli_official #くるり #世界はこのまま変わらない PV③ “パジャマのおじさん編” #Qテレ #感覚は道標 ♬ we can't change the world without you here - くるり

 まるで児童向け番組のような内容で、くるりのオリジナルメンバー3人が小芝居を繰り広げる動画たち。『くるりのえいが』で見せた音にこだわり抜く職人のような姿から想像もつかないファニーな表情がバンドの多面性を象徴している。これは新アルバム『感覚は道標』の収録曲「世界はこのまま変わらない」のPVとして公開されているもの。岸田繁(Vo/Gt)とも縁深い『タモリ倶楽部』の制作会社ハウフルスが手掛けており、ショート動画ならではのテンポ感で夢中にさせる中毒性の高い作品だ。ベテランバンドならではのアイデアと、バラエティにも強い制作会社が培った映像スキルでTikTokへ乗り込もうという強い気概とユーモアを感じる。

 その他、四星球もユニークなTikTokに力を入れている。ライブで披露する対バン相手のカバー曲や毎回のライブで行う段ボールを用いたパフォーマンス、ライブの舞台裏など、さまざまな要素で四星球の面白さをアピールしている。思いがけないところからブレイクに繋がる可能性のあるTikTokだからこそたくさんのフックを用意し、バンドの魅力を伝えようとしているのだろう。

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 短尺の動画でバンドや音楽の魅力の全てを伝えるのは難しい。しかし、その音楽を好きになるきっかけとしてTikTokは重要な場所だ。これからも意外なアーティストたちが間口を広げるためにさまざまな投稿に取り組むことだろう。その個性溢れるアプローチを楽しみに待ちたい。

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