83歳のプロクラブDJ、2歳でアルバムリリース、100歳でデビューを果たした双子……異例の記録を成し遂げるアーティストたち
日本は長寿国ということもあってか、最高齢に関するギネス記録も多い。たとえば、すぎやまこういち。彼は2016年に「最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家」としてギネス記録となった(当時84歳292日)。『ドラゴンクエスト』シリーズの音楽を1作目から担当し続けており、『東京2020オリンピック』の開会式では「序曲:ロトのテーマ」が起用されるなど、世界的にも著名だ。クラシック音楽の要素をふんだんに取り入れた音楽性で、オーケストラの編曲を少ない音数で表現するという創意工夫は、後世にも大きな影響をもたらした。
新宿・歌舞伎町には、DJ SUMIROCKなる人物がいる。彼女は2018年、83歳113日の時に「最高齢のプロフェッショナルクラブDJ」としてギネス記録を達成した。昼は自身が経営する中華料理屋に勤め、深夜からテクノを中心としたDJプレイを行うという個性的な二足の草鞋を履いているDJ SUMIROCK。キャリアは2012年からと決して長くはないが、だからこそ“何歳からでも挑戦はできる”という音楽の面白さを体現している。彼女のクールなプレイスタイルはNetflixのドキュメンタリー『ミッドナイトアジア: 食べて・踊って・夢を見て』でも確認できるので、気になる方はご覧になってみてはいかがだろうか。
最後に意外な作品を紹介したい。“きんさんぎんさん”の愛称で親しまれた双子の姉妹・成田きんと蟹江ぎんは「存命中の最高齢の一卵性双生児」と「史上最高齢の一卵性双生児」として、かつてギネス記録に認定されていたが、1992年に100歳の時点でデビューを果たしている。これは当時の日本においては最高齢でのレコードデビューで、ギネスには認定されていないが大きな記録と言える。「きんちゃんとぎんちゃん」というこの楽曲は、歌唱の大半を子供らの合唱が占めており、きんさんとぎんさんの語らいや相槌が随所に差し込まれるという極めて実験的なもの。機会があればぜひとも聴いていただき、その独創的な世界観を楽しんでほしい。
2019年には105歳でCDデビューを果たした三味線奏者・杵屋響泉がおり、2022年には最高齢新人バンドとしてギネス記録に挑戦中だという鈴木茂、小原礼、林立夫、松任谷正隆によるSKYEもいる。これからも文化の発展が続く限り、音楽シーンから意外な形でギネス記録が出てくることだろう。
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