BTS、BLACKPINK、NewJeans、テイラー、ジェイ・Z&ビヨンセ……更新され続けるユニークなギネス世界記録
今年8月、4人組ガールズロックバンド SCANDALが意外な形で注目を浴びた。「同一メンバーによる女性最長活動ロックバンド」としてギネス世界記録に認定されたのだ。初ステージから16年と358日で世界記録となったわけだが、この記録に対するリスペクトの念とともに感じたのは、認定される世界記録の幅広さへの驚きである。ヒップホップが誕生して今年でちょうど50年、ヒップホップほど起源が明確ではないが、ロックンロールやポップミュージックも誕生から約70年ほどと言われているなかで、その歴史が長くなるにつれて、自ずとこれらのいわゆる“大衆音楽”にまつわる記録も多岐にわたり、蓄積と更新を続けているのだ。よくフィーチャーされる売上枚数記録や再生回数記録、コンサート興行収入記録のようなものから、珍しい切り口のニッチな記録まで幅広く網羅しているギネス世界記録。今回は近年も更新され続けている、海外の音楽に関連するいくつかのギネス世界記録をピックアップし、紹介していきたい。
まずは2010年代以降、ワールドワイドな飛躍を見せているK-POPからの世界記録を見ていこう。K-POPの欧米進出において大きな役割を果たしたBTSだが、実は多くの世界記録を樹立しているグループでもある。彼らの影響力を持ってすれば、2〜3個の世界記録を持っていても不思議ではないと思われるだろう。しかし、我々の期待をやすやすと上回ってきた音楽活動と同様に、BTSの世界記録保持数も想像を上回るものになっている。なんとグループとして合計23個のギネス世界記録を達成しているのだ(2023年9月現在)。「Spotifyで最もストリームされたアーティスト(グループ)」「音楽グループによるInstagramの最多フォロワー数」といったわかりやすい記録から「TikTokで100万フォロワーを獲得した最速タイム」のような変化球な記録まで、さまざまな世界記録を樹立しているBTS。書籍『ギネス世界記録2022』では、その世界記録保有数から「殿堂入り」として紹介されている。
世界記録を多く樹立しているK-POPアーティストは、BTSだけではない。アメリカで開催されたコーチェラ(『Coachella Valley Music and Arts Festival』)でアジア人初のヘッドライナーを務めたBLACKPINKも、多くのギネス世界記録ホルダーである。しかも、2023年9月現在、BTSに迫る合計21個の世界記録を保持するというから驚きだ。「UKアルバムチャート(女性)で1位を獲得した初のK-POPグループ」や「USアルバムチャート(女性)で1位を獲得した初のK-POPグループ」といった欧米での人気を証明するような世界記録が並ぶことを考えると、コーチェラのヘッドライナーを任せられる理由も自ずと理解できてくる。
そして、K-POPの層の厚さを感じさせるのがNewJeansの存在である。驚くべきことにデビューから1年ほどで、すでに世界記録を樹立しているのだ。デビューEP『New Jeans』がリリースから219日間で10億回ストリームを突破したことで「Spotifyで最も早く10億回のストリームを達成したK-POPアーティスト」に認定されたNewJeans。これまでBLACKPINKのLISAがソロで同記録(411日間)を保持していたが、それをNewJeansが大きく更新した格好である。NewJeansは、コカ・コーラやLEVI'S®のグローバルアンバサダーを務めるなど、活動の幅を世界規模に広げているだけあり、これからさらに新たな世界記録を樹立していくことは間違いなさそうだ。