アンジュルム 竹内朱莉、笑顔で駆け抜けた14年 不遇の時代を越えたリーダーとしての苦悩、グループへの愛

 アンジュルムのメンバーでありリーダーの竹内朱莉が、6月21日に横浜アリーナで開催されるコンサート『ANGERME CONCERT 2023 BIG LOVE 竹内朱莉 FINAL LIVE「アンジュルムより愛をこめて」』をもってグループおよびハロー!プロジェクトから卒業する。2008年にハロプロエッグ(現ハロプロ研修生)へ加入、2011年にスマイレージ(現アンジュルム)の2期メンバーへ昇格。エッグ時代は約3年間、ハロプロ正規グループのメンバーとしては11年10カ月7日という長い在籍期間だった。この日数はアンジュルム内では最長の記録となる。

苦境も多かった6スマ時代

スマイレージ 『タチアガール』 (MV)

 竹内がスマイレージへ加入した時期は、オリジナルメンバーである第1期メンバー4人のうち2人が卒業したのと同時期になる。残った1期メンバーの和田彩花、福田花音と、竹内含む4人の2期メンバー、計6人による時代はファンから「6スマ」と呼ばれており、スマイレージ/アンジュルムの14年の歴史においてもひときわ印象的な時期だった。

 1期メンバーの福田が2015年、そして和田が2019年にグループから卒業し、オリジナルメンバーが全員グループを去った時も時代の区切りを感じたが、今回の竹内の卒業によって2期メンバー全員がいなくなることになり、これもアンジュルム史上大きな句読点となるだろう。

 6スマ時代は、当時のいわゆるモベキマス体制(モーニング娘。・Berryz工房・℃-ute・真野恵里菜・スマイレージ)においては末っ子グループ的な立ち位置であり、フレッシュな強みもあるが、CD売上やライブ動員などでは苦戦を強いられることもあった。2期メンバーの田村芽実が残した「スマイレージはいつもこうだ」という名言は、当時のグループが置かれていた状況を端的に表している。そんな状況下にあってもメンバーたちは底抜けに明るく、それがスマイレージの魅力でもあった。特に竹内の太陽のような笑顔、そして「ニャハハ」という特徴的な笑い声は、この頃から現在に至るまで一貫したものを感じる。

和田彩花から引き継いだリーダー

 そんなグループに転機が訪れたのは2014年。佐々木莉佳子を含む3期メンバー3人が加入し、グループ名もアンジュルムに改称。シングル曲「大器晩成」を携えたグループのアグレッシブな佇まいは、この頃に確立して現在まで受け継がれている、アンジュルムの基本イメージと言えるだろう。それが成し得たのは、それまで4~6人だった構成メンバー数が10人前後に移行したこと、そしてそのメンバーたちを束ねる存在としてのリーダー・和田の求心力によるところが大きい。和田の卒業後は、竹内が2代目リーダーとしてそのバトンを引き継いだが、おそらく竹内もアンジュルムの力強く、かつ自由な気風を受け継ごうという意志は強かったのではないだろうか。

 しかし、竹内のリーダー就任後は、メンバーの卒業が相次ぐことになる。2019年から2020年にかけては、3カ月ごとにメンバーが3人続けて卒業するという時期もあった。また、2020年からはコロナ禍で思うように活動ができないジレンマもあっただろう。当時はそんな素振りは見せなかったが、やはり竹内にも苦悶の思いはあったようで、最近になってラジオ等でその頃の苦しい心境を吐露することもあった。

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