BIGBANG、SHINeeからBLACKPINK、Stray Kidsまで……K-POP×生バンドは定番に? 定着の背景とメリットを考える
また、2020年以降はオンラインのみのコンサートでも生バンドとともにパフォーマンスしているグループが見受けられる。例えば、2020年に開催されたIZ*ONEの『ONEIRIC THEATER』。バンドアレンジで代表曲「La Vie en Rose」「Violeta」「FIESTA」などを披露していた。
他にも、2021年のMAMAMOOのコンサート『WAW』では、バンドだけではなくオーケストラも演奏に加わっている。約180分にわたって新曲を含め過去7年間の主要曲を新たに編曲し、ファンとこれまでの道のりを振り返る時間となった。その他、BTSもYouTubeで配信された「Proof」Liveなどでバンドと共演している。
今年に入ると、Stray Kidsのワールドツアー『Stray Kids 2nd World Tour "MANIAC"』でも生バンドを活かしたパフォーマンスが披露されていた。例えば、1つのユニットが準備している間、もう1つのユニットがバンド演奏に合わせて歌やダンスを披露するなど、公演ごとに内容を変えていたのが印象的だ。バンドがいるからこその柔軟性が垣間見えた。
生バンドをコンセプトにしたコンテンツも
生バンドでのパフォーマンスは、コンサートやフェスに限った話ではない。YouTubeチャンネル「it’s Live」は主に生バンドでのパフォーマンスを披露し、人気を博している。バンドサウンドのアレンジにより、音楽番組とは違った魅力も見えてくるのが醍醐味だ。また、“歌唱” にフォーカスすることで生バンドとの親和性が高くなっている。
打ち込みの音楽が特徴的なK-POPに生バンドを迎えることで、新鮮さはもちろん、楽曲に深みと迫力が増すのは言うまでもない。そこに一糸乱れぬダンスが加わると、観る者の心を容易に奪っていく。
2022年になり有観客でのパフォーマンスが増えているが、コロナ禍で主に音源を聴いていたファンにとって、生バンドでのパフォーマンスは大きな衝撃になるはずだ。現在、多様なK-POPグループが生まれているが、生バンドの有無が他のグループとの差別化にもなっていきそうだ。