少女時代、TWICE……K-POPアイドルの長期活動、なぜ可能に? 韓国芸能界に変化が

 K-POPアイドルの活動年数についてよく言われる数字に「7年目」というものがある。デビューから7年続くような人気グループでも、7年目に解散したりメンバーが辞めたりというケースが珍しくないため、「7年目のジンクス」と呼ばれたりもしている。

 何故7年目なのかというと、2009年に公正取引委員会が制定した「大衆文化芸術人 標準専属契約書」の中で決められている最長の契約年数が7年だからだ。デビューが決まった契約時には歌手本人が契約期間を決定できるが、最長である7年で契約するケースが多いため、7年目の契約更改時にグループとして大きな変化が起こりやすい。実際、最近でもLOVELYZZやGFRIENDなどの人気グループの活動休止や解散があった。

 一方で、7年目を迎えてグループ全員が再契約したり、一部のメンバーは再契約せずに事務所を移籍してもグループとして存続したり、移籍したメンバーも含めてグループ活動を続ける例も増えてきた。

Girls’ Generation 소녀시대 ‘FOREVER 1’ MV

 特に、SMエンターテインメント所属の東方神起、SUPER JUNIORらはいずれもメンバーの人数の変化はありながらも、10年以上続く長寿グループとなった。2007年にデビューした少女時代も、契約更新時に移籍したメンバーはいるもののグループとしては存続しており、5年ぶりのカムバックが決定している。JYPエンターテインメント所属の2PMは他事務所に移籍したメンバーもいるがグループは継続しているし、最近TWICEが全員で再契約したことも大きなニュースになった。YGエンターテインメントも2AKMU(楽童ミュージシャン)、WINNERがそれぞれ全員契約を更新したばかり。BTSも、7年目を待たず期限の1年前にすでに全員が契約更新したことが報道された。

 大手事務所以外でも、2014年デビューのMAMAMOOは4人中3人が再契約し、移籍したフィインも2023年までMAMAMOOのニューアルバムの制作および単独コンサートの出演などグループ活動についての契約を締結した。MONSTA Xも6人中5人が再契約を結び、グループ活動は6人で続けていくと発表された。どのような形であれ、7年目以降も存続するグループが増えていることは確かだろう。

 このように、近年は韓国のアイドルグループも活動期間が10年を超えることは珍しくなく、全体的に長くなってきている。特に、以前は兵役に行くメンバーが増える5年目前後がグループ存続の境目といわれたボーイズグループでは、顕著な違いが見られる。

 その大きな理由のひとつが、アイドルが個人で活動しやすくなったことがあるだろう。以前の韓国では、アイドルの仕事自体が限られていたり、ソロ歌手として活動する際も一般的な“アイドル”としてのイメージが強いことが多かったため、グループを辞めてからソロとして活動するケースが多かった。

NAYEON “POP!” M/V

 しかし、現在ではグループに所属しながらソロ歌手として活動することは珍しくないし、アイドルが活躍できるフィールドも音楽だけではなくモデルや俳優、バラエティタレントやミュージカル俳優、ラジオDJ・MCなど多岐に渡るようになってきた。現在では人気映画やドラマの主演を務めたり、俳優としてお茶の間に知られるケースも珍しくない。

SUPER JUNIOR 슈퍼주니어 ‘Mango’ MV

 ソロ仕事の幅を広げたアイドルとしては、SUPER JUNIORがよく知られているだろう。元々芸人を目指していたシンドンやデビュー前から俳優として映画出演もあったシウォン、ソロでリリースしたドラマのOST(サウンドトラック)がヒットしたイェソンなど、早い時期からメンバーソロの仕事が多く、当時としては異例の活動スタイルだった。特にバラエティの分野ではMCとして番組全体を仕切ったり、“アイドル”というイメージに囚われず、バラエティの分野でタブーの少ないSUPER JUNIORが出てきたことで、アイドルが出演できるTV番組の幅が広がっていったことは確かだろう。メンバーそれぞれの得意分野を活かしたソロ活動ができるということは、メンバーの兵役のように全員でのグループ活動が難しい時期には特に有効に働きやすい。また、個人でやりたい活動ができる環境は、結果的に芸能活動を継続することへのモチベーションにも繋がりやすいだろう。

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