Vaundy、Kroi、Lucky Kilimanjaro……独自の進化と発展を遂げる国産ダンスミュージックの今

 サブスクの各種チャートを俯瞰してみると、R&Bやヒップホップ、もしくはコアなトラックメイカーの楽曲以外のポップミュージックも踊れる楽曲が圧倒的に増えたことが実感できる。K-POPナンバーやUSのR&Bなど、国内外分け隔てなく聴く傾向を考えると当然のトレンドとも言えるが、国産ダンスミュージックがここまで豊穣の季節を迎えた背景と、実際のアーティストや楽曲を2021年後半のいま、見渡してみたい。

 それまで横に乗れるリズムと縁遠かったという意味で、DAW上できっちりグリッドを揃えた難易度の高い構成や歌唱を半ば競技的に高めてきたボカロを出自に持つアーティストが、現在主流のジャズファンクを含むファンク要素のある楽曲を発表し始めたことにも注目したい。ゴージャスなブラスサウンドと跳ねたリズムが軽快な米津玄師の「感電」、構築的なマスロックや壮大なスケール感を持つ神はサイコロを振らないがキタニタツヤとのコラボで、グッとファンクに振った「愛のけだもの」をヒットさせたことは記憶に新しく、神はサイコロを振らないの新曲「タイムファクター」もコラボの経験値を活かした16ビートの新境地となっている。

米津玄師 MV「感電」
神はサイコロを振らない×キタニタツヤ「愛のけだもの」【Official Audio】
神はサイコロを振らない「タイムファクター」

 また、“どこかにある六畳半アパートの、各部屋の住人の歌”をコンセプトに掲げる音楽プロジェクトMAISONdes。“住人”が変わることで、ダンスミュージックのグラデーションはあるものの、DUSTCELLのEMAをフィーチャー、元ぼくのりりっくのぼうよみで、Diosとしても活動するたなかが作曲した「ダンス・ダンス・ダダ feat. EMA,たなか」は日本的なDTM文化が浸透した果ての洗練を感じさせるグルーヴミュージックと言えるだろう。

【103】[feat. EMA, たなか] ダンス・ダンス・ダダ / MAISONdes

 ボカロP/DTM文化の日本的なダンスミュージックへの結合と分かち難いのは現在、TikTokで好んで使われることの多いチルアウトヒップホップ。ミディアムで一定のゆるさを持ったキック&スネアの上で身近な恋愛についてラップ&メロを綴る表現はクボタカイや空音ら、Z世代のソロアーティストを挙げていくとキリがないほどだが、その中でも音楽的にエレクトリックフォークと言えそうなニュアンスから現行のR&Bのテクスチャーに近い新曲「エックスフレンド」まで、なかなかの振り幅を見せるクボタカイのダンスミュージック偏差値は高い。

エックスフレンド – クボタカイ (Official Lyric Video)



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